【ワンピース】 SHAMBLes fifth.【トラファルガー・ロー】

最高の出航 ページ11

*



「やっぱキツいからお前も走れ」


そう言われて半ば引きずるようにされて、私たちはバルトロメオくんたちの元へと戻ってきた




「はぁ...船長、足長すぎて追い付けない...」

「気張れ、あと少しだ。おい、お前らどこに居ても同じだ！！船を出せ！！」

「キミらを待ってたんじゃないか！どこにいたトラファル、ガー・ロー！！」

「...なんでガー・ローだけ強調？」




早く船に乗れ、と言われるがままに東の港奥に進めば驚くべき光景が目に入る

すごい船の数...
何隻もの船が一列にならんで、私たちの乗る船へと続く"連結橋"を構えてくれていた



藤虎と戦う、と駄々をこねる麦わら屋さんをハイルディンが掴んで走り出す

後ろからは、麦わら屋さんの出航を手助けしてくれるたくさんの人たちの声が聞こえてきた




「フフフッ」

「？...何笑ってんだ、お前」


「だって、私たちって今までこんな出航の仕方したことあります？
パンクハザードの時もでしたけど、こんな出航したことないから楽しいな＿＿＿＿って」




素敵な出航だ＿＿＿＿

来たときはあんなに見せかけの笑顔で溢れてた国が
ボロボロになって、瓦礫になったのに笑ってる


敵味方関係なく、一致団結した戦士たちも心穏やかな顔をしている




「そうだな...」

「船長も穏やかな顔してますよ！」

「...してねェ」




にっ、と笑って見せればいつものように頭を鬼哭で小突く船長

でもそれは、痛くも何ともなくてただただ優しかった



「さ〜〜〜！！見てけろーーーっ！！」

「おお！！」

「でけーーーっ！」



五キロを走り抜けた霧の先には、大きすぎる立派な船
巨人のハイルディンも小さく見えるレベルだ
ヨンタマリア大船団の主船、ヨンタマリア号




「立派な船だべ〜〜！？」

「キミのじゃないだろ！！」




バルトロメオくんの船は後で御披露目してくれるらしい
絶対に驚く、と自信満々なのでとても気になる


一体、どんな船なんだろう



ささ、乗ってけろ！とバルトロメオくんに連れていかれるがまま船に乗れば立派で広い甲板が目に入る

コロシアムの戦士たちと小人達、そして私たちが乗り込んでもまだまだスペースがある位大きいし広い



「すごい...広っ！ウチの何倍あるかな...」

「お前はあれじゃ不満か？」



にっ、と口角を上げて意地悪な顔をする船長をポカポカ叩く

そんなわけない、ウチのポーラータング号は
大好きな皆が乗った素敵な船だ




「意地悪、言わないでください」

「悪かったよ」




こんな風に、船長と心から笑い会える日が来るなんて

思ってもみなかった＿＿＿

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