△32 重岡くんの気持ち ページ32
重岡side
一目惚れだった。
『んー、眠い…』
「いくら入学式やからって遅刻寸前とかありえへん」
『だって私の入学式じゃないし。
後輩たちともあんま面識ないからさあ…』
眠そうに欠伸をしても絵になる。
そんな先輩に、「かわええ…」と思わず漏れた声。
「あの、」
「ん？あ、新入生？なした？」
「あの、さっきの女子の先輩の名前、知りたくて」
「…ああ、彼奴のこと？Aやで」
A先輩。
その名前を聞いたときの鼓動すら、覚えてる。
思い立ったらすぐ行動。
そんな思いでした告白は、先輩にとってきっと意味も分からないもので。
でも仲良くしてくれるあたり、やっぱり優しくて。
『重岡くん』
そう呼ばれるだけで、嬉しくて、苦しかった。
中庭で食べたお昼も、出かけた放課後も、先輩は笑顔で一緒にいてくれた。
そんな笑顔に、また恋に落ちた。
「あ、あのっ、好きです、付き合ってください！」
二ヶ月前、知らない女子からされた告白。
正直面倒で、先輩以外は眼中にもなかった俺はてきとうにあしらっていたから。
彼女の気持ちさえ知らず、ただ先輩を思い続けていた。
でも先輩はいつまでたっても振り向いてくれない。
もう諦めようかと、出てみた賭け。
思いの外、苦しいのは自分で、余計に諦められなくなるだけで。
どうせ諦められないならと距離をとった。
「ねえ、あそこ行かない？」
「お昼一緒に食べようよ！」
「…ダメ、かな？」
そんなとき、避けているのを彼女に勘づかれて。
ああ、俺と一緒かって少し揺れ動いた自分もいた。
でもやっぱり、考えるのはいつも先輩で。
「…アホやん。諦めるなんて、無理なくせに」
あと三ヶ月。
そんな短い期間で消せるような、そんな遊びの恋心なんか持ってない。
できるのなら、もう一度話したくて。
隣で、また笑ってほしくて。
「勘違いさせてたんやったら、ごめん」
「俺、好きな人おるからさ。
その人がこれからもずっと好きやから」
「やから、付き合えません」
そう断った矢先、先輩の声が聞こえた気がして。
振り向けば、そこには涙をいっぱいに溜めた先輩がいて。
「…行きなよ。好きなんでしょ？」
背中を押してくれた彼女を、大人に思った。
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凜憧(プロフ) - ぽてとふらい。さん» うん、ありがとうね笑 その言葉を励みに更新頑張ります(^ワ^=) (2019年7月29日 15時) (
レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 好きです。(唐突)(話が好きすぎて言葉でない)(とりあえず告白を)(無理せずゆっくりでもいいから更新頑張れ)(待ってるで私は)もう一度、好きです。 (2019年7月29日 14時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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