▽22 映画と手と恋心 ページ22
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『ねえ、重岡くん』
「なんですか？」
『…好きって、どんな感じ？』
「へ？先輩、どうしたん？
なに聞くんかと思えば急に改まって」
『や、気になったからさ』
映画館はまだ明るい。
そりゃそうだ。
まだ次作の映画の予告が流れてるし。
言われ慣れてしまった藤井からの「好き」が、どうも気になって、今さら聞いてみたけど。
聞く相手を間違えたかな、と一人で反省。
これじゃあ重岡くんに好きって言ってほしい、なんて思ってるんだと勘違いされる。
『気にしなくていいよ、うん。
あ、予告終わった。もうすぐ映画始ま……』
「こんな感じ？」
隣からぎゅっと握られた手。
ねえ、苦しい。
重岡くんといると、胸が苦しくなるの。
なんでかな。
ドキドキするのは藤井にもなのに。
「冗談ですって。そんな顔しないでください」
『あ、…ご、めん』
離してほしくないって。
まだ繋いでいてほしいって。
なんか私、我儘な彼女みたい。
「先輩」
『え、あ、なに？』
「…返事待とうと思ってたんやけどさ」
映画館が暗くなる。
それが、上映開始の合図。
顔見えない。
今は、暗くならないでほしかったな。
「俺、やっぱりそんな強ないわ」
″あと三ヶ月、想えるか分からん″
本当は分かってた。
いつか返事を出さなきゃいけないんだって。
でも、重岡くんとの放課後が、楽しみで。
忘れてた、なんて言い方は少し違うけど、それでも。
これがなくなるって思うと、苦しくて。
行動に移すどころか、考えることさえしなかった。
『……そう、だよね。
ごめん、私が曖昧だから…』
「考えてくれるんは嬉しいんで、大丈夫です」
なにが正解か、不正解か。
そんなの分かるわけなくて。
『……』
好き、って感情は、理解が追いつかなくて。
『…なん、で』
それなのに、どうして。
『なんで、こんなに苦しいの、っ、』
こんなにも胸がきゅっと締めつけられて。
隣にいるだけで、嬉しくて。
映画なんてそっちのけで、繋がれていた方の手を見てしまうんだろう。
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凜憧(プロフ) - ぽてとふらい。さん» うん、ありがとうね笑 その言葉を励みに更新頑張ります(^ワ^=) (2019年7月29日 15時) (
レス) id: f3cbf63448 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとふらい。(プロフ) - 好きです。(唐突)(話が好きすぎて言葉でない)(とりあえず告白を)(無理せずゆっくりでもいいから更新頑張れ)(待ってるで私は)もう一度、好きです。 (2019年7月29日 14時) (レス) id: 9d94f1b87d (このIDを非表示/違反報告)
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