−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

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Aちゃんが恋愛方面に鈍い……というか意味不明な思い込みをしてしまうのは、ひとえに恋愛経験の低さにあるんだと思う。



今まで、Aちゃんには彼氏どころか告白すらした人がいなかった。Aちゃんは十中八九影の薄さが原因と言ってるし、僕自身もそうだと思う。ただ、中にはその影の薄さを面白がる奴や罰ゲームで告白する相手に使おうとする奴もいて。…まあ勿論そんな奴は徹底的に潰したけど。里香ちゃんに至っては僕が何かを言う前に攻撃してたし。ソイツらも驚いただろうな。ま、自業自得か。



里香ちゃん………か。ふいに思い出された名前に、あの時に───解呪した時にした約束が頭によみがえる。




「憂太、Aのこと頼んだよ。里香は憂太とAの幸せを誰よりも願ってるから。
…それにね、Aは思い込みが激しいの。だから憂太もハッキリと伝えないと誤解されてうまくはぐらかされちゃうかもよ」




あの時、すでに里香ちゃんは僕の気持ちを知っていたのかもしれない。だからあんなアドバイスをしたのかな。



Aちゃんは、僕以外で里香ちゃんが攻撃しなかった唯一の人だ。むしろ庇護対象に入っていたくらい。まあ幼馴染だし、里香ちゃんもかなり気に入っていたから当然と言えば当然なのかもしれないけど。



＿＿＿ねぇ、里香ちゃん。この気持ち、伝えてもいいのかな。

里香ちゃんのことも好きだけど、今恋してるのはAちゃんだ。本当にこのまま新しい恋に踏み出してもいいんだろうか。




「大丈夫、きっと上手くいくよ」




微かに聞こえた声に慌てて振り返ると、トン、と背中を軽く押された感覚がした。頑張れ、ってことだろうか。



目の前を見ると、相変わらず何も気づいてないように不思議そうな表情をした幼馴染───もとい好きな人がいて。



その顔を見た瞬間、今まで躊躇して言えなかった言葉がポロリと溢れ出た。




「…………………………好き」

『っえ…、』

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