−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

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久々に戻った腕の自由を噛みしめる間もなく、早くしろと恵に視線で訴えられる。君巻き込んだ自覚あります？？(困惑)



まあいい。さっさとお姉さんを追い払おうと思い、『おねーさーん』と話しかけた。彼女らがこちらを向くと同時に、私はそっと恵を後ろから抱きしめる。そう、いわゆるバックハグというやつである。



前にも述べた通り、私は恋愛経験が0だ。当然、こんなことをした経験だってない訳で。私の心臓緊張しすぎてちょっと口から飛び出そうなんだが。大丈夫？まだその辺に私の心臓落ちてない？？(落ちてない)



だが、お姉さん達にその緊張を悟らせないように敢えて笑顔で言い放った。勿論、声を震わせないように気をつけて。




『お姉さんゴメンね〜。この子私の彼氏なの。人の彼氏を勝手に口説かないでもらえる？』




そう言うと、「え……彼女…？さん？」「お、お邪魔しましたぁー…」とそそくさと去っていく2人。すみませんコイツの彼女じゃないです！！と全力で誤解を解きたいのは山々だが、それをすると全て無意味になるので笑顔で黙っといた。



そしてお姉さん達が視界から消えた後、無言で恵から離れようと……離れよう…と………。




『お前何でまた私の腕掴んでんの？？』

「いいでしょ別に」

『良くねぇよこちとら離れらんないんだけど、ねぇ』




コイツにはうるさい心音が聞こえていないのだろうか。「Aさんさっきから心音うるさいですね」………そんなことはなかったようだ。なら離れろッ公開処刑にすんじゃねぇ！！(必死)



実力行使で離れようと思ったが、冷静に考えて男女の力の差があるから無理だわ。大体それで離れられるなら最初からそうしてたわ。



私の頭に"詰み"という2文字が思い浮かび……ブンブンと頭を振って追い出した。諦めたらそこで試合終了だってどこかの偉い人が言ってたし。まあこれ、諦める以外にどーしろって話なんすけどね。



恐らくこれは恵のデレ期(A命名)だろう。最近会えてなかったしなぁ。津美紀ちゃんの件で構いすぎたのか、恵は時折とんでもなくデレる。ある種の依存みたいなものなんだろうな。…いや待てそれはそれで困る。依存はやめてくれ頼むから。

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