−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

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少し呆れた表情をしながら、憂太がまた尋ねてくる。




「分かった。それなら部分的に見ていこう。まずは……あのシーンは？」

『どれ？』

「ほら、主人公がヒロインのことを他の男子に渡したくないって言って一緒に学校を飛び出すシーン」

『あー………』




目を閉じてそのシーンを思い出す。「俺、やっぱりお前をアイツには渡したくないっ！一緒に行こう！」「ちょっ…どこ行くの！？アンタ彼女のあの子がいるじゃない！」……みたいな会話をしてたっけな。




「僕はあのシーンドキドキしたなー。ああいうのキュンとするっていうか」

『あ、じゃあ私もそれで』

「感想ってそういうのじゃないから」




憂太とは全然別の感想だったし、恐らく私のは一般的でない感想だろうから口を噤む。いや今更すぎる話なんだけどさ。




「別に怒らないから言ってみてよ」

『私は、その……自分にも彼女がいるくせに勝手にひ弱な少女を無理矢理連行するとかヤベーなコイツと思った』

「え、その彼女って最後の方で衝撃の事実が発覚してなかったっけ」

『ん？あー、あれか。付き合ってくれなきゃ死んでやる的なので渋々付き合ってたってやつ』

「そう、それだそれ」




主人公2人に気を取られて全然気づいてなかったけど、改めて考えるとあの女子もヤバい。何あの子怖っ。メンヘラかな？？そして最終的にはヒロインと和解してたよなぁ。現実的に見てもそんなご都合主義なことある？？




『っていうかヒロインは優等生なのに平気で学校サボらせるとか、皆勤賞狙ってたらどう責任取るんだよとも思った』

「よしもうこのシーンはやめよう。ならアレは？主人公とヒロインが両想いになってキスするシーン」




そういや、そんなシーンも最後の方にあったな。………またズレてる可能性を考えて憂太の方をチラリと見る。




『参考までに、憂太の感想は？』

「僕はようやく両想いになれて良かったなぁって。あーいうのテンプレだけど憧れるよね」

『そっかぁ……』




おっとまさかのまた意見が違うんだが。嘘だろ。

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