誤解が解けた義眼の女子大生が東都水族館に行く話。【純黒の悪夢】

掴んだ手掛かり ページ24

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　ピリリリリリ、ピリリリリ




　タクシーに乗り込んだ数分後、ケータイが鳴った。





　画面を見ると、『光彦くん』の文字。





　光彦くん？ どうしたんだろ……




　電話に出て、声を潜め話す。





　「光彦くん？ どうしたの？」





　『あ、結衣さん！ 実は今、東都水族館に来てて……。





　昨日のお姉さんに写真を撮って送ってあげようと思ったんですけど、連絡先知らなかったことを思い出して。





　結衣さん、女の人と喋っていたのでもしかしたら何か思い出したことを聞いてないかなぁと。』






　子ども達……水族館にいるの！？





　私も向かっている途中、とは理由が理由なだけに口が裂けても言えず。






　「ごめん、私も知らないな。





　そのことなんだけどさ、あの女の人、あれからどこに行ってるかとか知らない？」





　『えっとですね……元太くんとオセロしてたら男の人達がやってきて、事情聴取をするからって連れて行っちゃいましたけど。』






　男の人達……？





　そしてその次の光彦くんの言葉に、私は耳を疑った。






　『あ、そうだ！ コウアンの人が、お姉さんをヒギシャ？ として身柄の引き渡しを要求する、って言ってました！』






　公安……！





　安室さん達が、動き出したんだ。





　だったら、子ども達をそんなところにおいておけない。





　「ありがとう、光彦くん。それでね、そこはあぶな……」





　『あっ、もうすぐ観覧車乗れるみたいなので切りますね！ では！』





　「光彦くん！？」





　思わず大声を上げたら、





　「お客さん、申し訳ありませんがもう少しお静かに願えませんかねぇ……」





　「あ。す、すみません……」





　運転手さんにバックミラー越しに苦笑いされてしまった。





　薄闇の中を、タクシーは走る。









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