鬼人族のヒーローアカデミア (ページ5)

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個性把握テストページ5

第1種目:50m走

出席番号的に、紫音は爆豪と走ることになる。

紫音はそクラウチングスタートの体制を取る。そして、スタートの合図と共に、駆け出した。
爆豪の爆破を食らうが、ご自慢の体幹で全くブレずに走る。痛みにも慣れているため、表情も変えない。

途中で爆豪を抜き、記録は〈3秒12〉。
中学の頃は5秒06だったが、紫音が本気を出せば、こんなものだ。……まあ、まだ本気を出していないかもしれないが。

第2種目:握力

鬼人族は身体能力がずば抜けている……一見、紫音は涼しそうな顔をして握力計を握っているが、出されている記録は〈103kgw〉。一同は唖然とする。

中学の頃は82kgw。誰も、紫音の記録は越せなかった。

第3種目:立ち幅跳び

紫音の脚力は、助走をつけて跳べば軽く5階まではいける。助走無しだと3階。だが、今回は上ではなく前に跳ぶため、本人は少し不安そうだ。

「(ま、なんとかなるか)」

スタートの合図が出されると、紫音は足に力を溜め、腕を振って勢いをつけ、地面を蹴るようにして跳ぶ。

「(なかなか行くな……)」

紫音は途中で宙返りを1度すると、空中で不安定だった体制を立て直し、地面に着地をした。

記録、〈25m32cm〉。中学の時は5m40cmだったため、なかなかに記録が伸びた。

「すげえな、お前」

突然話しかけられ、驚く紫音と、なんの躊躇いもなく紫音に話しかける男に、驚く一同。

「アンタ……確か、轟？」

9年間同じクラスだったが、挨拶程度しかしていなかった2人。紫音は轟と仲良かったか？と首を傾げる。

「忘れたわけでは、無さそうだな」

「9年間同じクラスの奴、忘れたらヤバいでしょ。で、なんの用？」

「特に。ただ、独りだったから、可哀想だなって」

「煽ってる？」

「どこをどう捉えたらそうなるんだ」

「(どう捉えてもそうなるだろ)」

天然というか言葉足らずというか……少し抜けている轟と、まともな人間としか話したことがなくて困惑する紫音。

「(私が可笑しいのか？)」

「……っていうのは軽いジョークで」

「(殴るぞ)」

「お前の個性が知りてえんだ」

轟が個性を訊いたのには、なんの理由もない。純粋に、知りたいと思ったのだ───涼しい顔してヤバい数字をバンバンたたきだす紫音のことを。

「……今？」

「今じゃなくていい」

「なら、なんで今訊いたの？」

「どういうことだ？訊きたいから、訊いただけだが」