鬼人族のヒーローアカデミア (ページ29)

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会議ページ29

「(圧倒的場違いすぎて帰りてえ……)」

もう、HRが始まっているであろう時間。紫音は何故か、警察と教職員会議に参加していた。理由は2つ。
1つ目は、父親である鬼灯刑事の娘であり、事件の情報提供をしたから。
2つ目は、担任の相澤の怪我が酷く、とても会議に参加できる状態じゃないからだ。

「A組の鬼灯さんから提供された情報にある、死柄木という名前……触れたモノを粉々にする個性……20〜30代の個性登録を洗ってみましたが、該当なしです。ワープゲートの方、黒霧という者も同様です。無戸籍且つ偽名ですね……個性届を提出していない、いわゆる、裏の人間」

資料を持って話す塚内の話を、紫音は父親の隣で訊く。

「何もわかってねえって事だな……早くしねえと、死柄木という主犯の銃創が治ったら面倒だぞ」

「主犯か……」

オールマイトの呟きに、校長は「何だい、オールマイト？」と返す。

「思いついても、普通行動に移そうとは思わぬ大胆な襲撃。用意は周到にされていたにも拘わらず！突然それっぽい暴論をまくしたてたり、自身の個性は明かさないわりに、脳無とやらの個性を自慢気に話したり……。そして思い通りに事が運ばないと、露骨に気分が悪くなる！まァ……個性の件は私の行動を誘導する意味もあったろうが……」

「それにしたって、対ヒーロー戦で個性不明というアドバンテージを放棄するのは愚かだね」

紫音はスラスラと資料にメモを取っていく。この資料は、最後は相澤に渡すため、一言一句聞き逃さず、また、重要単語を書いておく必要があるのだ。

「(絶対私にやらしちゃダメでしょ)」

「もっともらしい稚拙な暴論、自分の所有物を自慢する、思い通りになると思っている単純な思考、襲撃決行も相まって見えてくる。死柄木という人物像は……幼児的万能感の抜け切らない子ども大人だ」

「なるほど、力を持った子供って訳ですね……」

「鬼灯紫音みてえだな！！」

「私は知能もありますよ？？」

プレゼント・マイクに、少し不満そうに返す紫音。

「小学時の一斉個性カウンセリング、受けてないのかしら……鬼灯さんは、受けたわよね？」

「鬼灯刑事の信頼無さすぎて笑う」

「紫音」

話が逸れた。すると、ブラドキングが、「で！？それが何か関係あんのか！？」と叫び、話を元に戻す。

「先日のUSJで検挙した敵ヴィランの数72名」

「(あれ、100いなかったんだ)」