鬼人族のヒーローアカデミア (ページ28)

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閉幕ページ28

雄英のプロヒーローと、要請を受けて駆けつけてきた警察により、この事件はあっという間に解決された。100人近くのヴィランたちも捕獲され、オールマイトにより飛ばされた脳無も捕らえられた。だが、死柄木と黒霧は逃してしまったようだ。

「鬼灯刑事」

「ああ、紫音」

相澤が救急車に載せられたのを確認した紫音は、父親に近づく。今は外で、父親は警察、紫音は生徒と言う立場のため、プライベートは一切見せない。それは、暗黙の了解でもある。

紫音は1度頭を下げると、スマホを開けて爆豪が撮影した写真を見せる。

「これは、クラスメイトの爆豪勝己が撮影した、ヴィランの主犯格ふたりの写真です」

「少し待ってくれ」

父親はそう言うと、数人の警察と雄英教師を呼び、紫音に説明を促した。

「これ、爆豪が撮った写真なんですけど、手前にいる手だらけの人間が死柄木弔です。身長は、170〜180の間。個性は、おそらくですが、五本の指で触れたものを壊すと言うものだと思います。

イレイザーの肘がひび割れるようにして壊れていたので、間違いないかと。自分に触れる時は4本、人に触れる時は5本だったので、間違いないと思います。

次に、この黒モヤ。名前は黒霧で、身長は推定180〜190の間。個性はワープですね。私は死柄木と脳無……ああ、約400m先の雑木林で捕獲されたヤツです。私はソイツらと戦ってたので黒霧についてはよくわからないんですけど、爆豪とかに聞いたらわかると思います」

「なるほどな、ありがとう、紫音」

「いえ、当然のことをしただけですので」

紫音は父親にスマホを預けると、先生二人の容態だけ聞いた。

「両腕粉砕骨折、顔面骨折、幸い脳系の損傷は見受けられなかった。ただ、眼窩底骨が粉々になっていて、眼に何かしらの後遺症が残る可能性もあるらしい。

13号の方は、背中から上腕にかけての裂傷が酷いが命に別状はなし。オールマイトも同じく命に別状なし。彼に関してはリカバリーガールの治癒で充分処置可能とのことで保健室へ……といっても、まあ、オマエには分かるだろうが」

「3人とも、命があって何よりです」

「ああ、そうだな。じゃ、オマエはもうバスで教室に戻れ。お疲れ様、頑張ったな」

「ありがとうございます」

「まあでも、もしかしたら事情聴取受けてもらうかもしれないから、一応残っとけよ」

「了解です」