鬼人族のヒーローアカデミア (ページ27)

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続ページ27

「来る途中で飯田少年とすれ違ってね、何が起きているかあらましを聞いた。もう大丈夫、私が来た！」

ネクタイを引きちぎるオールマイト。その顔には笑顔が無く、誰もが怒っていると理解した。

嬉しそうに言う死柄木。紫音はもう安心かと一息つくと、相澤のもとへ駆け出し、彼を姫抱きすると、緑谷たちに近づく。

「ここは、オールマイトに任せ……いや、緑谷は残って、蛙水と峰田は引け」

紫音はオールマイトの秘密を知っている。あの状態が長時間維持できないことも知っている。

「どうして？緑谷ちゃんは？」

「コイツが大人しくできるとは思えない。いいから早く。足引っ張るつもり？」

そう言われたら、動く他ない。紫音は持ち前の瞬足で麗日たちの所へ行くと、相澤を地面に寝かせた。そして、今度は蛙水と峰田の方に行き、2人残しに腕を回すと、また、麗日たちの所へ行く。

「鬼灯ちゃん！」

「もう大丈夫でしょ」

紫音は白熱した戦いが始まろうとしている広場から目を逸らさずにスマホを取り出す。そして空いている扉から外に出た。

「お、繋がる」

紫音はスマホを開けると、電話帳アプリを開け、そこから父親に連絡をした。

「……もしもし」

「父さん、ヴィラン現れたよ。容姿の撮影完了。おおよその身長把握。名前、声、個性共に確認済み。場所は予想通り、雄英のUSJね」

「わかった。今、ちょうど要請が入ったところだ。すぐに行こう」

紫音は短く言うと電話を切り、中に入った。すると、麗日が紫音に近づく。

「あの、爆豪くんが、これを渡せって」

差し出されたのはスマホ。壊れないようにという配慮だ。

「ありがとう」

ロックのかかっていないスマホを開け、紫音はフォトアプリを開ける。

「……ちゃんと、撮れてるね」

爆豪のためにロックを解除したため、紫音は情報が漏れるのを防ぐために、もう一度ロックをかけ直す。

広場では、オールマイトと緑谷と爆豪と切島と轟が脳無と黒霧と死柄木と戦っていた。

「(オールマイト、もうそろそろ、限界か)」

紫音は加勢するか……？と立ち上がるが、「伏せて！」と言う声が聞こえたため、咄嗟にしゃがむ。紫音の真上をゴム弾が通り、見事に死柄木の手の甲に命中した。

「ごめんよ皆。遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めて来た」

「飯田くん……！」

「1-Aクラス委員長飯田天哉！！ただいま戻りました！！！」