鬼人族のヒーローアカデミア (ページ22)

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続ページ22

「爆豪さ、この付き合いの浅さで既に、クソを下水で煮込んなような性格と認識されてるってすげぇよ」

「てめぇのボキャブラリーは、何だコラ。殺すぞ！！つーか、わざわざ言う必要あったかボケ！！」

「爆豪うるさい」

それをどこか離れてみていた八百万は、呆れたように「低俗な会話ですこと」と呟く。その呟きをたまたま拾った麗日は、「でも、こういうの好きだ、私！」と返した。

すると、タイミング良く相澤が後ろをむく。

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ……」

数名の生徒が元気よく返事をし、それから数分して、バスはテーマパークのような場所に駐車した。

「お手をどうぞ」

一番最初に下りた紫音は、女子が降りてくると手を差し伸べる。鬼灯家の家訓で、『女に優しく、男に厳しく』と言うものがあるのだ。……だが、この家訓は(他人である)女に優しく、(他人である)男に厳しくというもので、鬼灯家自体にはそこまで関係ない。

なぜそんな教訓にしたのか、紫音が1度祖父に聞いたことがあった。すると祖父なんと答えたと思う？……「家訓ってかっこいいじゃろ？」だ。紫音は7歳にして初めて、呆れるという感情を知ったのだった。

「ありがとうございます」

「どういたしまして。次、葉隠でしょ？」

「ありがとう、紫音ちゃん！」

紫音は軽く微笑むと、女子が降りきったことを確認してバスから離れる。数名の男子は思った。まさか、女子に負けるなんて……と。

「すっげー！！USJかよ！！？」

生徒の叫び声に、紫音は顔を上にあげて施設を見上げる。

「……でっか」

「水難事故、土砂災害、火事……etc.
あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も……ウソの災害や事故ルーム！！」

全ての頭文字をとって「USJ」と名ずけられたその施設に、紫音は著作権の心配をした。

「スペースヒーロー「13号」だ！災害救助で、めざましく活躍をしている、紳士的なヒーロー！」

「わ━━、私好きなの、13号！」

盛り上がる緑谷と麗日。紫音は軍団から少し距離を置くと、鬼火を40個ほど出した。だが、誰も気づかない。

「13号、オールマイトは？ここで待ち合わせのはずだが」

相澤が13号に話しかけた。

「先輩、それが……通勤時に制限ギリギリまで活動してしまったみたいで、仮眠室で休んでいます」

「不合理の極みだな、オイ。まあ、念の為の警戒態勢。仕方ない、始めるか」