鬼人族のヒーローアカデミア (ページ21)

今日:15 hit、昨日:6 hit、合計:7,706 hit

ヒーロー基礎学ページ21

「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイトとそしてもう一人の3人体制で見ることになった」

「(なった……特例か。ヴィランの侵入を備えてってとこかな……)」

「ハーイ！何するんですか！？」

瀬呂が元気よく聞く。

「災害水難なんでもござれ。レスキュー訓練だ！！」

声と顔が全く合っていない相澤は、RESCUEと書かれたカードを掲げる。

「レスキュー…今回も大変そうだな」

「ねー！」

「バカオメー。これこそヒーローの本分だぜ！？鳴るぜ！！腕が！！」

「水難なら私の土壇場、ケロケロ」

好きなことを言う生徒を、相澤は「おい、まだ途中」とひと睨みした。生徒たちは一斉に口を噤む。

「今回、コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。
訓練は少し離れた場所にあるから、バスに乗っていく。以上、準備開始」

生徒たちはそれを聞くと、次々に立ち上がった。紫音も立ち上がると、爆豪に声をかける。

「みんなが集まる前に、軽く話そう」

◆

「てめえは単独っつーことか」

「まあね。でも、死ぬことは無い」

「それはどーでもいいわ」

「え、酷くない？」

爆豪と紫音の会話を他所に、前半分の向かい合う形で並んでいる座席に座っている生徒たちは、思い思いに話していた。

「派手で強えっつったら、やっぱ轟と爆豪だな。単純に強えっつったら、やっぱ鬼灯だろ」

「そんなに褒めても、火の玉くらいしか出ないよ」

「いや、いらねえわ」

切島に真顔で返されて黙り込む紫音と、話のネタにされたのが癪だったのか、「ケッ」とつまらなさそうに窓の外を見た爆豪。すると、蛙水が口を開く。

「爆豪ちゃんは、キレてばっかだから人気でなさそ」

「んだとコラ、出すわ！！」

「爆豪、危ない」

「ほら」

蛙水が爆豪を指差す。紫音は爆豪の首元を掴んで爆豪の背中を椅子の背もたれにつけた。

「紫音ちゃんは笑わないから色んな人に逃げられちゃうわね」

「逆にさ、私が笑ってたらどう思う？」

「「「熱でもあるのかなって思う」」」

「殴るぞオラ」