鬼人族のヒーローアカデミア (ページ20)

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続ページ20

「おかわり」

「はいはい」

大皿の麻婆豆腐をほぼ一人で食べる爆豪は、白米の入った茶碗を紫音に渡す。紫音はそれを受け取ると、炊飯器に近づいて漫画のように米を盛った。

紫音の両親や祖父母は、それを微笑ましそうに見ている。すると、兄である祐希が茶碗を置き、二人を見た。

「それで……」

全員が箸と茶碗を置く。辺りに緊張感が漂った。

「(なんなんだよ、これ……！)」

「(変な誤解してんじゃねえよ、お前ら……！)」

そう思われてるとは露知らず、祐希は話を続ける。

「2人は交際、何年目だ」

「「ぶふぉ！」」

喉が渇いたため、息ぴったりで口に茶を含む2人。そして、飲み込もうとした直後に告げられたその言葉に、茶を盛大に吹き出した。そして、咳き込む。

このタイミングで茶を飲む2人は、きっとどうかしている。

「ちょっ、兄さん！何言ってんの！？」

「俺らまだ会って数日だっつーの！！」

「おお、一目惚れか……」

「「違う！！」」

その後、2人がかりで誤解を解いた。かかった時間は約30分。2人は息を荒くして誤解を解くと、また、ご飯を食べ始める。

「だいたいさあ、勝手に決めつけんのやめてくんね？爆豪が彼氏とか、ごめんだわ」

「こっちのセリフだわコラ」

バチバチと睨む2人は、思い出したように顔を上げた

「あ、そうだ、聞きたいことあったんだ」

突然話題が変わった事に、爆豪と紫音以外の全員がは？といった顔をする。紫音は話を続けた。

「今日、雄英の門壊されたんだけどさ、なんか知ってる？」

「ああ、アレか……」

祖父は髭を撫でながら言った。

「アレは、恐らくヴィランの仕業じゃ。身元までは割れておらん」

父親も続ける。

「犯人の狙いは、恐らくオールマイトだ｣

「それは分かってる」

「帰りながら話してたし」

父親はそれを聞くと、話を飛ばして続けた。

「カリキュラムを拝見したところ、次にオールマイトの授業があるのは、明日の午後のヒーロー基礎学。クラスは……」

「私ら、か。で、主犯割り出して、可能なら顔まで撮れ……と」

父親は頷く。爆豪と紫音は顔を見合わせると、ヴィラン顔負けの笑みを浮かべた。

「上等」

「映えるように撮るわ」

「映やさなくていい。しっかり全身を撮ってくれ。出来れば、なにか比較になるものも一緒にな」

「個性の炎で比較する」

「ああ。それでいい。無理のない範囲で、な」

「「分かってる」」