鬼人族のヒーローアカデミア (ページ19)

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放課後デート……？？ページ19

このロマンチックかもしれない空気で口を開いた爆豪。その先は、皆さんも分かっているだらう。そう、告はk「雄英の門、ただのマスコミが壊せると思うか？」……ムードもクソもありゃしない。

「奇遇だね、爆豪。私も同じこと考えてた……雄英のセキュリティは3重構造。ハンマーで殴ろうが何しようが、そう簡単には壊れない。

教室に戻る際にチラリと見たけど、粉々だったよ。まるで、何かの個性みたい」

「ンな個性なら、わざわざ報道陣の道は歩まねえだろ。ヒーローって職に就くか、ヴィランって職に就くはずだ」

2人は顔を見合わせる。

「狙いはオールマイトか」

「それが濃厚だね。ね、明日、オールマイトの入ってる授業ある？」

「知るか」

「だよね」

2人は黙り込む。すると、紫音が勢いよく顔を上げた。

「……午後のヒーロー基礎学！」

「あ？」

「もしかしたら、そのカリキュラムにオールマイト入ってるかも」

「だとしたら、狙われるのはそこってことか」

「多分ね。あー、それならなんか策でも練る？」

「なにすんだよ」

「……なんだろ」

爆豪は息をついた。そして、そうこうしている間に、紫音の家の前に着く。その日本式の豪邸に、爆豪は動きを止めた。紫音の学区は轟と同じのため、近くに似たような作りの豪邸がもう一軒ある。それを知れば、爆豪はどんな反応をするだろうか。

「……っと、タイムリミットか。ありがと、爆豪。また明日……！？」

紫音が爆豪に背を向けた瞬間、彼女の背後から3人の女児と1人の男児が現れた。4人は勢いよく走ると、紫音の腰にタックルをかます。

突然のことに反応出来ず、紫音は爆豪に飛び込む形で支えられた。

「っぶねー。なにしてんだよ」

「いや、初めてすぎてなにがなんだか」

紫音は体を離すと、振り向いて4人を見る。

「なにしてんの」

「それ、おねーの彼氏？」

「ねーちゃんにも春来たの？」

爆豪の額に青筋が浮かぶ。

「他人のことそれ呼ばわりとか、てめえ、どういう教育してんだコラ」

「爆豪よりマシ」

「あ！？」

爆豪が凄んだ直後、玄関の引き戸が勢いよく開かれ、そこから父親と母親が出てくる。

「紫音」

「あー、もう、なに！？」

「彼氏が出来たなら、早く言いなさい」

「「はああ！！？彼氏だァ！！？」」

息ぴったりな2人を、父親は微笑ましそうに見つめる。ああ、もうダメだと悟る紫音は、爆豪に手を合わせる。

「夕ご飯、食ってって」