鬼人族のヒーローアカデミア (ページ18)

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続ページ18

「いてえいてえ！！」

「押すなって！！」

「ちょっと待って倒れる！」

「押ーすなって！！」

5人は外へ出ると、絶句する。叫ぶ人、怪我する人、人と人が押し合い、そこはまさしく地獄。

「ねえ、外に出た方が危険じゃない？」

確かにと頷く4人。すると、瀬呂がパチンと指を鳴らす。

「あ、そうだ。鬼灯」

「なに」

「お前、怖いからさ、叫んだらこの人たち黙らせることできるんじゃね？」

瀬呂の提案に、名案だと言う顔をする爆豪と切島と上鳴。鬼灯は嫌だという顔をしたが、4人にやれと言われたため、仕方なく息を吸い込む。

殺気を放ち、地を這うような低い声で叫んだ。

「動くな、黙れ！！！」

全員が、息を止めて立ち止まる。殺気が乗せられた声に、動ける者はいない。

「ねえ、本当に、これで良かったの」

ふっと息を吐き出して殺気をしまった紫音が4人を見る。4人は、効果がてきめんすぎて何も言えなかった。

「つーか、これ本当にヴィランなの？今朝のマスコミみたいなさあ……」

生徒たちは、不安と焦り、そして紫音の声による恐怖で泣きそうになる。すると、突然、麗日の個性で浮いた飯田が自身の個性で勢いをつけて、EXITと書かれた看板の上に、非常口のようなポーズで固まる。

「大丈ー夫！！」

「「「「「ぶふぉ！」」」」」

5人がいっせいに吹き出す。その声を聞き、混乱していた生徒も少し落ち着いたようだ。

「ただのマスコミです！何もパニックになることはありません、大丈ー夫！！ここは雄英！！最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう！！」

飯田の言葉を聞き、生徒たちはわらわらと食堂に戻る。ふと、紫音が呟いた。

「生徒たちの不安煽ったの、私じゃね？」

瀬呂が勢いよく顔を逸らし、残りの3人は2人から背を向けた。

「……おまえら、マジで、いい加減にしろよ！！？」

紫音の叫びが、虚しく響いた───。

◆

委員長が飯田に交代し、その他諸々の委員を決め終え、紫音と爆豪は、何故か2人で肩を並べて家路をたどっている。
帰りに辛いものを食べに行こうと紫音が提案し、爆豪が乗り、2人で教室を出たのだ。

放課後デートと勘違いする者も多いが、本人たちにそんな気は一切ない。

空は茜色に染まっており、2人がもうご飯を食べ終えたということが分かる。

「なあ」

「なに」