鬼人族のヒーローアカデミア (ページ17)

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続ページ17

わなわなと震えたかと思えば、切島と紫音の言葉にいきなり怒鳴る爆豪。相澤はそのやり取りを無視して、淡々と告げる。

「じゃあ、委員長は緑谷、副委員長は八百万だ」
「うーん、悔しい……」
「ママママジで、マジでか……！」

意外な組み合わせだが、周りは爆豪を除いて、誰も反対はしなかった。

「緑谷、なんだかんだ熱いしな！」

「八百万は講評の時のがかっこよかったし！」

紫音は2人とすれ違うようにして、席に着く。

「他の委員は、また今度決めていく。では」

相澤はそう言うと、職員室に戻る。生徒たちの机には、１時限目に必要なものが置いてあり、担当教師が来るで、自由に喋っていた。

◆

「あれ、鬼灯？」

食堂で激辛カレーに一味を大量に入れて食べている紫音に話しかけたのは、切島だ。その隣には、上鳴と瀬呂と爆豪がいる。

「え、なにそれ」

紫音の手元を覗いた上鳴が呟いた。

「なにって、カレー」

「え、これが？」

ちゃっかりと同じ席に座り、会話を広げる上鳴。だが、隣と前から刺激集がして、口を噤んだ。

「爆豪、おまえ何してんの？」

瀬呂が問う。

「あ？別になんもしてねえわ」

そう言いながら、爆豪は麻婆豆腐に山椒を大量にかけ始めた。

ドン引く3人と、黙々とカレーを食べ進める紫音。切島、上鳴、瀬呂は目と目を合わせる。

「(胸焼けしそう)」

「(吐きそう)」

「(鼻曲がりそう)」

爆豪と紫音は、食べ進めながらちらりとお互いを見た。

「「(こいつ、なかなかいいセンスしてるな。食の好みが、合う)」」

「ねえ、爆豪だっけ？それ、1口ちょうだい」

「あ？なら、てめえのも寄越せや」

「いいよ」

2人はそう言うと、食器を入れ替え、スプーンとレンゲも変えずに、お互いの昼食を口にした。それを見て絶句する3人。

堪らず、上鳴が言う。

「おまえらそれ、関節キ……」

瀬呂が咄嗟に上鳴の口を塞いだ。不思議そうな顔をする2人。場が微妙な空気になった───瞬間、その空気を変えるかのように、突然、警報が鳴る。

5人は驚き、顔を上げた。直後、女のアンドロイドの声が響く。

《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難して下さい》

「は？避難？ご飯は？食べていいの？？」

「アホか、取り敢えず避難だろうが」

「あ、そっか」

紫音はそう言うと、立ち上がる。上鳴、瀬呂、切島はそのやり取りを見て思った。

「「「(鬼灯、取り乱してね？)」」」