鬼人族のヒーローアカデミア (ページ12)

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続ページ12

「えっと、よろしく……」

「こちらこそ」

そこで、二人の会話が終わった。苦しい沈黙が続く。すると、葉隠が声を上げた。

「あ、私が白紙だ！」

くじの順は適当なため、葉隠が最後に引くことになった。紫音のペアの尾白は、隣に立つ紫音に怯えていたが、葉隠の言葉を聞くと、安堵した顔になる。

「あの、良かったら、俺たちと組まない？」

「え、いいの！？組む組む〜」

尾白が葉隠を誘い、もともといた鬼灯合わせて、計3人チームのIコンビになる。

「鬼灯ちゃんも、よろしくね！」

怖くないのか、それともとりあえず話しかけていこう精神なのか、はたまたこの前の体力テストで以外に話しやすいことがわかったのか、葉隠が紫音に声をかけた。

紫音はちらりと葉隠を見ると、「よろしく」と短く返す。

「続いて、最初の対戦相手は、こいつらだ！！」

オールマイトは2つの箱に片手ずつ手をを突っ込み、中からアルファベットの書かれたボールを取りだした。

「Aコンビがヒーロー！！ Dコンビがヴィランだ！！」

緑谷&麗日VS爆豪&飯田。混ぜるな危険の緑谷と爆豪が、一体どんな試合をするのか───まあ、紫音は興味はないらしいが、生徒たちは興味津々だ。

Dコンビが建物内に入り、オールマイト率いる生徒たちは、Aコンビを残して、モニタールームに入って、2コンビの戦闘を見る。紫音は壁に背をあずけて腕を組み、顔を下に向ける。

紫音は、モニターを見ずに、寝ようとしていた、自分の番が来るまで。

「(あー、ねっむ)」

「「「(今寝ちゃダメでしょ鬼灯さん……)」」」

◆

「鬼灯ちゃん、次だよ！」
「あー、おっけー」

紫音は角に当たらないように髪をかきあげると、尾白と葉隠の散歩後ろを歩いた。

「鬼灯ちゃん、尾白くん、私ちょっと本気出すわ。手袋もブーツも脱ぐわ」

「(女として、どうかと思う。全裸でしょ、今)」

「うん……」

小型無線だけが向いた葉隠を見ないように、視線をさまよわせながら頬をかく尾白。そうして3人は、建物内に足を踏み入れた。

「ごめんだけど、なかよしこよしする気は無いから。私が言ったら、その通りに動いてもらえる？負けたく、ないんだよね」

「うん、わかった！」

「あ、うん……」

2人は返事をすると、作戦について紫音に訊いた。紫音は草履をカランコロンと鳴らしながら答える。

「轟の個性を使えば、このビルは丸々凍る。アイツも、推薦入試だからね」