47.撃つための話 ページ49
｢まぁ、私ったら……｣
声も顔も身体も、本物のビアンキさんだ。でも、ビアンキさんはポイズンクッキングで攻撃するし、その武器が何よりの証拠。近寄ったリボーンさんにもあの槍を突き刺そうとしたことで、私の考えは確信に変わる。
｢どうやったんですか、骸さん｣
｢何言ってるの、あたしよ｣
｢違う！ビアンキさんは、愛してる人にそう易々と武器を向けたりするような人じゃない！｣
｢……クフフフ、また会えましたね｣
骸さんだ。やっぱり、ビアンキさんの中に骸さんがいる。でも、彼は確かに死んだはず｢で、出たー！｣｢祟りだー！｣……まぁ、分からなくはないですけど。流石に落ち着いてください。
｢そんな馬鹿なことあるわけねぇぞ｣
そう。彼は地獄の底から舞い戻ってきたなんて言っているが、そんなわけない。そもそも、あの骸さんが自ら死んだ時点で怪しむべきだった。あの人は目標を達成するまで、自分の手で死ぬなんてマネしないだろう。
｢誰から片付けましょうか｣
｢その前に、私があなたを撃ちます｣
骸さんの前に立つ。威力は中、普通の銃弾レベルだ。でも距離は2mもない。撃てば確実に当てられる。ただ、問題なのは身体がビアンキさんということだ。
｢クフフ、勇ましいことです。あなたにその引き金を引くことができるんでしょうか｣
｢骸さん、ごめんなさい。私はあの時、あなたにあんな顔をさせたくて話しをしたわけじゃありません。ただ、復讐に未来がないことを、気付いてほしかった｣
｢……また、あなたは僕に謝るんですね｣
無表情で小さくそう呟いた。それを疑問に思っていると、骸さんは何故か一歩ずつ近付いてくる。私の銃口が、彼のこめかみにコツンと当たった。
｢撃てばいい。それで僕は死ぬ。もちろん、この女もね｣
｢っ！！｣
弱に切り替える？いや、こんな至近距離で打ったら例え弱でも危険過ぎる。骸さんもビアンキさんも、殺すわけには｢それですよ｣｢え｣
｢あなたが、僕の仲間にならなくて良かった｣
骸さんが手を伸ばして、銃を持つ私の右手首を強く引っ張る。銃口がズレ、そのまま前につんのめった。彼が左手に持っていた槍が、重力に従って腹めがけて真っ直ぐ刺さっていく。
｢はっ……ぅぐ…｣
｢三峰さんっ！！｣
｢散々傷つけられた貴方には、相手を傷つける覚悟がない｣
槍が腹から抜け、同時に血が抜けていく感覚がする。
｢敵にまで優しくして、どうするんです｣
また彼は、あの顔をして笑っていた。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
