46.終わらない話 ページ48
｢へへっ、甘かったな。シャマルから雲雀への薬を預かってきたのさ｣
｢それじゃあ！｣
｢はい。雲雀さんはもう｣
雲雀さんの攻撃によって、骸さんが吹き飛ばされる。倒れた骸さんが起き上がる気配はない。｢や、やった……｣という沢田さんの声に、私もじわじわと終わったんだと実感する。でも、骸さんとまた話しをする機会はあるだろうか。
｢雲雀さん、怪我は……雲雀さん？｣
こっちを振り返ったと思ったら、そのままふらっと倒れてくる雲雀さん。それを咄嗟に抱き留めて横たえる。途中から無意識で戦っていたというリボーンさんの台詞に、普段なら触れない黒髪をそっと撫でた。ごめんなさいと思いながら。
私がもっと、しっかりしていれば。
｢そうだ！早くみんなを病院へ連れて行かなくちゃ｣
｢心配ねぇぞ。ボンゴレの優秀な医療チームがこっちに向かって｣｢その医療チームは不要ですよ｣
｢っ、骸さん！？｣
さっきまで意識を失っていたのに、いつの間に。しかも、どこから取り出したのか、その手には真っ白い拳銃が握られている。
｢何故なら、生存者はいなくなるからです｣
｢てめぇっ！｣
｢また、会いましょう｣
手に持つそれの銃口が、骸さんの方に向けられる。届くわけもないのに骸さんに向かって必死に手を伸ばした。
｢待っ｣
｢＿＿アリヴェデルチ｣
手を伸ばす私と目が合った。なのに、彼は引き金を引いた。銃声が響き渡り、目の前でゆっくりその身を倒していく骸さんに私はポロッと、涙が零れた。私まだ、彼にあんな顔をさせてしまったことを謝れていないのに。憎しみだけを糧に生きていたあの人が、憎しみだけを抱えて逝ってしまった。
｢そんな……｣
｢捕まるくらいなら死んだ方がマシってやつか。それとも｣
それとも、何だろう。リボーンさんの含みのある言い方に引っかかって横を見ると、沢田さんが青い顔をして立っていた。
｢ついに骸を倒したのね｣
声をかけようとしたけど、後ろから聞こえたビアンキさんの声にハッとしてそっちを見る。そう言えば、ビアンキさんも怪我をしていたはずだ。立ち上がれないのか、獄寺くんに肩を貸してと頼むビアンキさんを心配していたのだが……
｢獄寺くん、行っちゃダメだ！｣
沢田さんの焦ったような声に、獄寺くんだけじゃなく私も驚く。そして、ビアンキさんが獄寺くんを刺そうとしたその事実より、手に持つ"それ"に｢え｣と小さく声を発した。
＿＿三叉の槍。その武器は
ホルスターから、銃を取り出した。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
