38.対面の話 ページ40
｢六道さんはあなたに少々興味があるようでねぇ。生け捕りが条件だったのですよ｣
六道骸が、私に興味を持っている？
何故だか分からないが、そもそも私に拒否権は存在しない。従わなければ、彼女たちが殺されてしまうんだから。｢分かりました｣そう言うと、沢田さんが止めに入ってきた。
｢だ、ダメだよ！一人で骸のとこに行くなんて｣
｢ですが、行かなければ彼女たちが危ないんです。私、私なら、大丈夫ですから｣
バーズは見張り役兼案内役として、小鳥を一匹放った。私はそれについて行く。後ろから山本さんや獄寺さんの悔しそうな声も聞こえるが、今生の別れという訳でもないんだ。
……まぁ、そうなる可能性もあるけど。
でも、骸に会えば雲雀さんのことが分かるはずだ。一体どういうつもりで私を呼んでいるのか知らないが、まな板の上の鯉でいるつもりはない。
｢雲雀さん……｣
小鳥さんに連れられて、私は廃屋の中を進んでいく。あちこち崩壊していて今にも崩れそうだ。どんどん上へ上がって、曲がって、とある教室の前に小鳥さんは止まった。ここに、六道骸がいる。
少し悩んで、ノックした。例え相手が誰であろうと、いや、刺激したらダメな相手だからこそ礼儀正しくいよう。中から｢どうぞ｣と声がかかる。若い爽やかな声で、少しイメージと違った。
｢失礼します。……あ、あなたが、六道骸さんですか？｣
｢ええ。椅子などはありませんが、まぁ適当に腰掛けて下さい｣
そう言われて一歩ずつ慎重に進む。骸は椅子に座ったままだ。警戒しつつ、骸から2mほど離れたところに落ちていた瓦礫の上に座った。骸がクフフ、と特徴的な笑い声をあげて私を見ている。
｢随分と警戒されているようですね｣
｢……当たり前、です｣
｢やはり、雲雀恭弥を捕まえておいて良かった｣
その言葉に思わず目を細める。雲雀さんは、やっぱりここにいる。捕まえられてるって、まさか私をおびき出すために？バーズといい、随分と小狡い手を使う。
｢目的はなんですか。何故、私を｣
｢貴方も我々と同じだからですよ｣
あの特徴的な笑い方が部屋に響く。彼は一体、私の何を知っているんだ。そして、私は一体何を知らない？骸の言葉を信じるなら、彼は"同じ"だと言っていた。
｢同じって、なにが……｣
｢そうですねぇ。端的に言えば、人体実験です｣
｢……は？｣
人体実験？そんなものされたことない。そう思っているのに、自信に満ちた骸の顔を見てるとだんだん分からなくなってきた。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
