29.出発前の話 ページ31
私が命令を出すことに誰も反論しなかった。正直、乱闘になる可能性すら考えていたくらいだったのに。風紀委員には三人一組で動いてもらうことにして、並中生、特に男子生徒には注意喚起を呼びかけるよう言い渡す。また、犯人は黒曜生との噂も立っているので、見かけたら注意すること、とも。
リーダーなんてやったことないし、何をしたらいいのかよく分からない。でも、今は守りに徹するしかない。私たちは、最強の矛を失っているんだ。
＿＿雲雀さん……
｢私は応接室に行きます。皆さんは各自守りに徹してください。残された私たちにできるのは、雲雀さんが戻られるまで被害者をこれ以上出さないことです｣
もうさっきのような上から目線な喋り方はできなかった。でも、マスクが無くても怖くない。私があんなに下手くそな演説をしても、誰も私を笑わなかったから。みんな、私を信じてくれている。
銃を片手に持ちながら、今後のことを考えた。草壁さんは意識不明。雲雀さんは、敵陣に乗り込んだと思われるが行方不明。どうしたらいいのか、せめて応接室に何か手がかりでもないかと期待していた。
｢あれ、リボーンさん……と、沢田さん｣
｢だ、脱獄？｣
脱獄、というワードに首を傾げる。影から隠れてその話しを聞いていると、マフィアや脱獄、六道骸、黒曜など、断片的に聞き取れた。きっと、今回の事件と何か関係があるはずだ。マフィア……、前々から聞いてはいたけど、本当の本当に？
｢うわぁぁ！俺には関係ないよっ！！｣
沢田さんの大声に現実へ引き戻される。どこかへ走って消えてしまった沢田さんに、リボーンさんだけが残っていた。どうしよう、盗み聞きしちゃったけど、これ大丈夫なのかな。しかも、さっきリボーンさんに怒られたばっかだし……
｢三峰、いるんだろ。出てこい｣
｢うっ………ごめんなさい｣
リボーンさんは気付いていたらしい。その表情にはなんの感情も乗っていなくて、やっぱりまだ怒ってるんだ。何やらガサゴソしてるリボーンさんを見つめていると、取り出したのはホルスターだった。
｢あの、これは｣
｢レッグホルスターだぞ｣
足とかにつける、あれだ。確かに銃をしまう場所が無くて困ってはいたけど、何だか少し抵抗がある。スカートをギリギリまでめくって、ホルスターを装着。そこに銃をしまった。
｢よし、見えねぇな｣
｢え、え｣
｢お前も、来るよな？｣
拒否権なんてないくせに。ニヤリと浮かべたリボーンさんの笑みに頷いてみせた。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
