02.学校生活の話 ページ4
玄関ドアの前でマスクをつけた。
私にとって、外を出歩く時は必需品。
わざわざ外に出てからマスクをするのは、二年くらい前のことがキッカケだった。毎日マスクをする私を見かねて、おばあちゃんが｢風邪でもひいたの？｣って心配してしまったから。それ以来おばあちゃんにはバレないよう、マスク生活を続けている。
マスクがないと、上手く喋れないから。
7時40分。他の人よりは早い登校時間。人に見られるのが嫌で、こんな時間に登校している。視線が怖くてさっさと歩き、学校まで15分とかからずに到着した。
まだ桜も咲いておらず、冬の静かな学校は寂し……
くない。
この時間は運動部がグラウンドで朝練をしているから、寧ろうるさい。まぁ、私は裏門から登校するし関係ないけど。
だってあんなに人が、しかも活発な人間ばかりがいるところを通るなんて私にはできない。干物を水槽に入れるくらい、馬鹿げた行為だと思う。これだと干物は元気になるけど、ああ。上手い例えが浮かばない。
ともかく。朝早くから登校してたら視線を集めるに決まっている。そういう視線に耐えられるほど、私は人間として強くなかった。視線すら、怖くてしょうがない。
そのまま上履きに履き替えて、一年C組へと歩を進める。途端に重たくなる身体が憎い。ドアを開ける前はいつもこうして緊張してしまうんだ。万が一にも、中に人がいたらどうしようという不安が浮かんでは消える。毎度これは杞憂に終わるけど、今日こそあるかもしれない。
あくまで堂々と。
そう思いつつ、私は横開きのドアをそーっと開ける。
……中にはやっぱり生徒なんていなかった。
安心して、窓側の一番前の席に座る。タイツ越しに感じる椅子の冷たさも、運動部のかけ声も、何もかもいつも通りだ。スクールバッグを横にかけそして、寝る。もうここからはずっと寝て過ごす。
寝てる間は人の目が気にならないから、私が人の多い学校で落ち着いて居るためには必要なことだった。
＿＿＿＿並盛中学に入学して、はや十一ヶ月。
人と上手く話せなくて、友達は未だ0人。
委員会未所属の帰宅部なので、知り合いも0人。
でも本当は、友達とお喋りしたい。
委員会や部活で誰かの役に立ちたい。
好きな人とか、いたらいいなって思う。
どれもこれも、私には縁遠いものばかりだけど、
いつかもっとまともになれたら。
……なんてやっぱり、できっこない。
ムカつく快晴を見て、ゆっくり目を閉じた。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
