27.変化の話 ページ29
病院の一角で、その場から動けずにいた。
『お前は、人前で恥をかくのが嫌なだけの臆病者だ』
そんなの、私だけじゃない。
誰だって、恥をかくのは嫌に決まってる。
恥ずかしい。失敗も、人に馬鹿にされるのも。
『もういっそ、誰にも気付かれないくらい薄くなれたらいいんですけどね』
あの時の言葉が蘇る。
そうだ、こんなに目立っているのが悪い。
誰にも見られなければ、批判も、嘲笑も、
何も聞かなくて済む。
『精神疾患って言葉に甘えて、逃げて、本当の自分を認められない』
甘えてる？逃げてる？違う。
私は本当に、
『群れてるやつも嫌いだけど、君みたいに弱いことを認めようとしない人間も、見ててイライラする』
……違う。
私は、あの喧嘩した日、弱い自分を認めた。
前に進めた。
弱いままなんて嫌だったから。
『失敗を恐れねぇ強さ、弱さを受け入れる強さがなきゃ、いつまで経っても立てねぇぞ』
弱くない。
＿＿『私は一人でも大丈夫なんだ』
失敗を恐れないなんて、そんなのできない。
失敗は怖い。馬鹿にされるのは嫌だ。
恥をかくなんて、嫌だ。
＿＿『私は惨めなんかじゃない』
……そういえば、こんなこと。前にも思ったっけ。
『弱いくせに、強がるからこうなるんだよ』
強がってる、のか。
私は自分を認めていないだけなのか。
リボーンさんは、全部正しくて
雲雀さんは、いつも強くて
『はぁ。本当変わらないね、君』
変われる機会はいくらでもあったのに、
変わらない選択肢を選んでいたのは、
私。
病気だから仕方ない。
いつか治ればいいや。
私のことは、私のせいなのに、
私は病気じゃない。
私に病名なんてない。
できない自分を、
怒られる自分を、
弱い自分を、
私はただ、認めたくなかっただけなんだ。
『どいつもこいつも一人じゃ何にもできやしない。弱者でいることをまるで誇って、馬鹿みたい』
アイツらにあんなこと言ったのに、
弱者で居続けたのは、私だった。
馬鹿だ、私。
｢……行かなきゃ｣
マスクを外した。
人に顔を見られるのは好きじゃない。
不細工って思わられるのが嫌だった。
喋ってるところを見られるのが嫌だった。
そうやって理想の自分になれない私を、
認めないでいるのは、もうやめだ。
理想に近づく努力もしないで、何が嫌いだ。
｢私は、風紀委員｣
強くあれ。
群れるな。
一人でも立ち上がれ。
｢大丈夫、やれる｣
言い訳ばかりの
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
