15.訳あっての話 ページ17
｢噂のせいで、君はもう風紀委員会の一員という扱いで見られている｣
それは私も聞いていたので黙って頷く。なんか小さい声で｢全く、迷惑な話しだよ｣とか聞こえた。その点は、本当に申し訳ないと思っている。元はと言えば、私の面倒事に雲雀さんが巻きこれただけなんだから。
｢さっきも言った通り、噂を消すことは簡単だ。でも、君がそういう風に見られている"認識"を変えることは難しい｣
……なんだか、言いたいことが見えてきた。
｢仮にも風紀委員の一人だと思われてる人間に品位を落とすような行動をされたりしたら迷惑だからね。ならいっそ、正式に入ってもらった方が効率が良い｣
雲雀さんは今省いたけど、要するに
｢正式に入ってもらって……その、"監視"した方が効率が良いって、ことです、よね……｣
雲雀さんは何も言わない。無言の圧力だけど、つまりはイエスってことだ。監視なんて最悪だけど、仕方ないとも思う。私のせいであるところが大きいし、雲雀さんも本意じゃないと言っていた。
向こうもやりたくないことをやるなら、私もやらなきゃフェアじゃない。というか、断ったらどんな目に合わされるか。人の目を見て話すのが苦手な私だけど、それでも頑張って雲雀さんを見つめた。
｢あ、の……経緯はどうあれ、言われた仕事は、その……できる範囲で頑張ります。よ、よろしくお願いしますっ！｣
｢君だけ特別待遇なんてさせないからね。もちろん、仕事はやってもらうよ｣
仕事内容について説明すると言って、何故か雲雀さんはデスクの方へ移動する。説明のための道具でも取りに行ったのかと思ったけど、ガチャッとドアが開いて雲雀が続けた。
｢後のことは、副委員長の彼に聞いて｣
そう言うと雲雀さんは別の仕事を始めてしまった。副委員長、と呼ばれたその人は、体も大きくて普通に怖い。雲雀さんとは別枠の怖さ。
｢副委員長の草壁だ。委員長に代わって、こっからは俺が仕事内容について教える｣
｢は、はいぃ！！｣
｢い、いや。そんなに怯えられるとやりづらいんだが……｣
｢すす、すみませっ……｣
どうしよう、絶対面倒なやつだって思われた。風紀委員会の副委員長さんに嫌われたら、風紀委員での私の居場所は無いも同然。そもそも、いくら雲雀さんが認めたとはいえ、納得してない人も多いのでは。こんな、根暗の出来損ないなんて。
｢お前にもできるよう、こちらで調整する。そう不安がるな｣
｢え。あ、ありがとう、ございます｣
なんか、優しい。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
