13.片鱗の話 ページ15
雲雀さんと私の間に沈黙が流れる。マスクもないし早く帰りたいんだけど、なんか帰れる空気でもなかった。雲雀さんの手からいつの間にかトンファーが消えていて、舐めるように上から下まで見られる。
｢あ、ぁの……なにか｣
どこかおかしいだろうか。校則違反になるようなところは何も無い。もしかしたら、あんな喧嘩まがい(?)のことをしたから、私も同じようにされるのだろうか。あ、いやでも、トンファーはもう持っていないんだった。
じゃあなんでそんなに……
｢あの｣｢三峰A｣｢は、はい！｣
え、なんでフルネームで名前呼ばれたの。
｢成績は上の下と比較的良好。走るのが不得意。部活、委員会共に未所属。祖母と2人で暮らしている。住所は……｣
｢ちょ、あの！な、んで……｣
そんなこと知ってるんですか、とは雲雀さんの顔を見たら言えない。"黙ってろ"という表情。それに、マスクがないから真っ直ぐ見れないし。喋るの恥ずかしいし。とりあえず、最後まで聞こう。
｢……習い事の経験はなし。父親は公務員。そんな君がなんであんな動きをできたのか、不思議だよ｣
あんな動き、が何を指すのか分からない。もしかして、さっきの蹴り飛ばしたりしたやつのことだろうか。それなら、やっぱり私には分からない。
｢ぇ、なんか、頭にきて……。それで、やりたいことをやったら、あんな……｣
あんなことするつもりはなかった。怒りで我を忘れていたというか、だから自分でも、勢いでやったとしか言えない。私自身、あんなふうに人に暴力振るったのは初めてだった。
｢まぁ、もういいよ。ここの後始末は風紀委員がやるから、さっさと君は帰るんだね｣
｢は、はぁ……｣
そんなことでわざわざ足止めされたのか、私は。そう思っても口には出さない。早く帰りたいし、マスクなしで外を出歩くのは落ち着かない。
遠くに落ちていたスクールバッグを持って、私は学校を後にした。
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【視点なし】
｢ちゃおっス｣
雲雀の前に突然姿を現したリボーン。その目が三峰の背中を見ていたことから、雲雀も何となく出てきた理由を察していた。
｢赤ん坊もあの子が気になるみたいだね｣
｢まぁな。……にしてもやっぱり、アイツとお前は考え方が似てやがる｣
雲雀は納得いかないという顔だが、さっき三峰の言葉に同意していたのをリボーンはしっかり見てる。そして、この戦いっぷりを見てリボーンは確信していた。
やはり三峰は、教育次第で化けると。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
