＊ ページ7
*
ドンッッッッ…
『…え？』
真夜中。
突然扉から鈍い音がした。
それはまるで扉を蹴破ろうとしているかのようで、何かが何度も強く扉にたたきつけられている。
このままでは扉が外れてしまうと思った私は、慌てて扉の向こう側に声をかけた。
『…っ、あ、あの！待って！』
…ぴたり、音が止む。
この中に人がいるのは想定外だったのか、困惑したような雰囲気が向こう側に流れていた。
こっそり窓から扉の前を見てみれば、3人ほどの男が棍棒やらナイフやらを持って外に立っている。
自分よりも遥かに強そうな武器を持つ彼らに、一瞬息が止まった。
彼らと戦闘になったら勝てるはずがない。
震える声を押し殺して、私は部屋の隅で1人震える。
どうかこのまま立ち去ってくれと願うばかりだ。
「…おい、どうする。人いるみてぇだぞ。やめとくか？」
「馬鹿言え。相手は女ひとりだぞ？行けるだろ」
「ここなら安全だし運よけりゃ食料も確保できる。少々の怪我のリスクはしゃあねぇだろ。」
不穏な会話。
腰に着けたナイフを手にソファーの影に身を潜める。
再び鳴りだす鈍い音に、冷や汗が流れた。
「っしゃあ開いた！」
「女探せ！見つけたら引きずり出してこい！」
「いやその場で殺そうぜ。反抗されたら厄介だ。」
とうとう轟音と共に扉が蹴破られ、3人の男が家の中になだれ込んでくる。
彼らは一言二言会話をかわすと、3手に別れてすぐに私を探し始めた。
彼らの視線が別の方向を向いているのを確認して私は窓から身を投げる。
早くこの場から逃げ出したくて仕方がなかった。
「…っ、いたぞ！あそこだ！」
「放っておいても良くね？」
「いや、いいナイフ持ってやがる。あとあれは多分食料持ってんな」
「殺せ！」
背後から荒々しい足音がする。
もつれる足を必死に動かし、私はできるだけ遠くへ行こうと走り続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ごはん - 2度目のコメント失礼します!!!今日見たら続編が出ていてとても嬉しい気持ちになりました！！続編の方でも自分のペースで頑張って下さいね!!!楽しみです〜！！ (2021年7月10日 2時) (
レス) id: 7774cb1cfe (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 狐火さん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 21時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - 続編おめでとうございます！続編に移ってもずっと応援し続けますので、更新、待ってます！！少しずつ依存し始めてる夢主…良いですね（） (2021年7月9日 21時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - bhさん» 更新お待たせしてすみません。そう言っていただけるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - ごはんさん» わー！そう言っていただけるなんて光栄です！ありがとうございます！これからも頑張りますー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
