深紅の綿毛 ページ6
闘技場から逃げ出して私が1番に向かったのは闘技場から少し離れた場所にある廃屋だった。
中に誰もいないことを確認して中に入る。
しっかり鍵をかけて扉の前に重しを置くと、やっと安堵の息をついた。
先程隣にいた男性とははぐれてしまった。
彼は大丈夫だろうか。
無事だと良いのだが。
取り敢えず食料を確保しようとキッチンに向かうと、そこにはいくつかのパンと缶詰、そして鋭利なナイフが置いてあった。
『…っ、！』
慌てて食料を鞄に押し込む。
そして少し迷ったあと私は恐る恐るナイフに手を伸ばした。
軽くて振りやすい形状のナイフ。
試しに1度振ってみれば、ひゅんと鋭い音がする。
あんまり使いたくはないけれど、万が一のために備えて腰に装備しておいた。
『……ん？』
そこでふと気がつく。
私のポケットの中に、なにか入っているような…？
ポケットに手を突っ込んでみると、何か石のようなものが指に触れる。
手に取って見てみると、それは淡い桃色の宝石のようなものだった。
『何、これ…』
まさか例の“人魚の涙”なのかとも思ったが、涙の形をしていないため多分違うだろうと頭を振る。
捨ててしまっても良かったけれど、なんだか勿体ないような気がしたので再びポケットの中にしまっておいた。
『…これから、どうしよう…』
冷静になればなるほどこの状況がどれほど不味いのかが理解出来てくる。
ぽつりと零れた弱音は徐々に大きくなっていき、私は1人膝を抱えた。
そう。これは元々サバイバルゲーム。
人を殺して生き残るゲーム。
ここから脱出するためには、必ず1人は誰かを殺さなければならないのだ。
『そんなこと、できない』
ナイフひとつで誰かに勝つことなんてできない。
ましてや人を傷つけることを躊躇なくやれなんて言われたって、簡単に出来るはずがない。
誰も傷つけずに脱出する方法は無いのか。
みんなで協力しながらではダメなのか。
『……寂しいなぁ』
私は、このサバイバルゲームで生き残れる気はしなかった。
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ごはん - 2度目のコメント失礼します!!!今日見たら続編が出ていてとても嬉しい気持ちになりました！！続編の方でも自分のペースで頑張って下さいね!!!楽しみです〜！！ (2021年7月10日 2時) (
レス) id: 7774cb1cfe (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 狐火さん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 21時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - 続編おめでとうございます！続編に移ってもずっと応援し続けますので、更新、待ってます！！少しずつ依存し始めてる夢主…良いですね（） (2021年7月9日 21時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - bhさん» 更新お待たせしてすみません。そう言っていただけるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - ごはんさん» わー！そう言っていただけるなんて光栄です！ありがとうございます！これからも頑張りますー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
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