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生存本能、というものなのだろうか。
背後に置かれた胡瓜を見つけた猫のごとく飛び上がった私は、悲鳴をあげることも出来ないまま我武者羅にその場を駆け出した。
つい先程まで数メートル先を歩いていたオレンジ色の小さな背中は見つけられず、だけど足を止めることなんて出来もしない。
不安定な足元に何度も足を掬われそうになりながら、ただ今は後ろの悪魔から逃れることだけを考えていた。
発砲音が聞こえないのに弾丸が放たれたのはサイレンサー、とかいうものを使っていたのだからだろうか。生憎武器に疎い私はサイレンサーがどんなものなのかよくわかっていない。が、音を遮断する的なものだったような気がする。
しかしまぁあんなに寸分違わず後頭部があったであろう場所を撃ち抜くことが出来るのかと恐れ戦き、そんな者に今命を狙われているということに私は絶望していた。
霧のせいで相手の姿もまともに見えない。なのになぜ相手は私の姿をはっきり捉えているのか。意味がわからない。
枝が軋むような音が私を追いかけてくるのを感じて、ようやく私はそもそも敵の足場が私たちと違ったのだということに気がついた。…今更気がついたところでもう遅いのだが。
クク、んふふ、と敵は時折小さく笑っている。
罠に掛かった獲物を甚振るように追ってくるソレは、どう見たって性格の悪いやつだった。
『ろ、ぼろさん、シャオロ、ンさんっ！何処、何処！？やだ、助けて…っ！』
また腕に1本傷ができる。弾丸ではない。おそらくそこら辺にあった木の枝を投げたのだろう。
木の枝だって投げ方によっては凶器になるのだということを、こんな形で体験したくなかった。小さな傷はチリチリとした痛みを伴うので本当に嫌い。痛くて痛くて堪らない。
半泣きになりながらはぐれた2人を探す。普段は恐ろしい恐怖の対象だが、今の私にとっては焦がれて仕方ない味方だった。
『あっ、』
小石に足を取られる。
派手に転びはしないものの思わず膝をついて、まずいと思ったらその瞬間またもや私の頭上に弾丸が勢いよく通り過ぎていった。
もし私は転ばずにあのまま走っていたら、あの弾丸はどこを貫いていたのか。
想像すればするほど背筋が凍る。
ぽつりぽつりと雨も降り出し、コンディションは最悪だ。
「お、鬼、鬼ごっこはもう終わりなん？」
それにこの状況。
いつ地面に降りてきたのか、ライトグリーンがこちらを覗き込んでいる。
にぃ、と嗤う目の前の男は、瞳孔の開き切った瞳で私を射抜いた。
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ごはん - 2度目のコメント失礼します!!!今日見たら続編が出ていてとても嬉しい気持ちになりました！！続編の方でも自分のペースで頑張って下さいね!!!楽しみです〜！！ (2021年7月10日 2時) (
レス) id: 7774cb1cfe (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 狐火さん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 21時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - 続編おめでとうございます！続編に移ってもずっと応援し続けますので、更新、待ってます！！少しずつ依存し始めてる夢主…良いですね（） (2021年7月9日 21時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - bhさん» 更新お待たせしてすみません。そう言っていただけるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - ごはんさん» わー！そう言っていただけるなんて光栄です！ありがとうございます！これからも頑張りますー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
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