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さて。ここまで考えておいてなんだが、正直まだ私は敵がどうやって身を隠したのかがよくわかっていない。
敵はいつこの人たちを倒したのか、どのような手段で足跡をひとつもつけずに身を隠すことが出来たのか。
疑問は多い。
勿論私たちが警戒するのも大切だが、しかしここでずっと足を止めたままだと何も進展しないのは目に見えている。恐る恐るシャオロンに近づいて服の袖を引っ張った私は、彼の耳元で小声で囁いた。
『……どうしますか、シャオロンさん』
「取り敢えず先に進むしかないやろ。こんな所で足止め食らうわけにはいかん」
「それもそうやな。…行くで」
私の言葉に彼は少々苦い表情はしていたが、やはりこのままでは埒が明かないと理解していたようで。機嫌の悪さを隠そうともせず、シャオロンはずんずんと霧の立ち込める森の中へと入っていった。
ロボロも弓矢を背に担ぎ直してその後に続く。
この霧で1度はぐれてしまえば恐らく追いつくことは出来なくなると直感した私も急いでそれに続き、だけど嫌な予感は拭いきれないままもう一度背後をちらりと盗み見た。
幾重にも重ねられた人の山。
この惨状を成し遂げた人は何を思ってこうしたのか。何の目的でその引き金を引いたのか。
ガサガサと風に揺すられ不気味な音を立てる木の葉は、余計私の不安を煽るだけだった。
霧に視界を遮られ、1寸先さえまともに見えない。ここが何処なのか、本当に私たちは目的地へと真っ直ぐ向かえているのか。自信の持てないまま進むのはあまりにも勇気がいりすぎた。
雲に覆われた太陽は、頼もしい陽の光を一切地上に届けてくれない。薄暗くじめじめとしたこの森は、まるで外の世界と断絶されたような感覚を彷彿とさせる。あぁ、早く出たいと小さく呟けば、それが聞こえたのか少し先を歩くロボロに軽く睨まれた気がした。…怖い。
ぴゅうと強い風が吹く。ガサガサと木の葉が風に揺れる。
恐る恐る1歩前に進む。泥濘がぐちゃりと嫌な音を立てる。
木の枝がぼとりと地面に落ちる。枝が軋むような音がする。
ロボロの背が一瞬霧に飲まれる。慌てて駆け出そうとする。
泥濘に足を取られる。そのまま体制を崩す。
頭上を弾丸が通り抜ける。
目の前の地面が、大きく抉れる。
『…………………………………………えっ？』
背後で、クククと悪魔の嗤い声が聞こえた気がした。
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ごはん - 2度目のコメント失礼します!!!今日見たら続編が出ていてとても嬉しい気持ちになりました！！続編の方でも自分のペースで頑張って下さいね!!!楽しみです〜！！ (2021年7月10日 2時) (
レス) id: 7774cb1cfe (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 狐火さん» ありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 21時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
狐火(プロフ) - 続編おめでとうございます！続編に移ってもずっと応援し続けますので、更新、待ってます！！少しずつ依存し始めてる夢主…良いですね（） (2021年7月9日 21時) (レス) id: a78dc8dbc5 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - bhさん» 更新お待たせしてすみません。そう言っていただけるなんて本当に嬉しいです！ありがとうございます！これからも頑張りますねー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - ごはんさん» わー！そう言っていただけるなんて光栄です！ありがとうございます！これからも頑張りますー！ (2021年7月9日 19時) (レス) id: 7b4b293a35 (このIDを非表示/違反報告)
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