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Aside
「おぉ、広い……！」
アフレコ当日。
アフレコ現場はいつもの倍広い様に見える。
「マイク多っ!!」
梅原「子供みたいですね。これが普通です。」
こちら台本を読みながらサラッといじってくるのは何回か共演した事がある梅原裕一郎。
笑いながら言ってきた。
「そうかそうか。」
もう突っ込まないよ。
斉藤「え、いつも何本でやってるんですか？」
こちらも同じく何回か共演した事がある斉藤壮馬。
「多くて3。」
梅原「……4じゃないの？」
「3なの。」
斉藤「確かに少ない…w」
まぁ、いつも少人数で仕事してるし。
……私の目の前にはズラ〜っと約8本。
多いわっ！
梅原「…………で何でこっち見てんですか？」
「え、後ろ向きたくないから。」
斉藤「みんなめっちゃ神家さん見てますよ。」
「言わないでくれ。」
一応挨拶はしたが…。
こっちは知り合いが3人しか居ないんだ…！
(もう1人は舞ちゃん。)
斉藤「神家さんって意外と人見知りですよね。」
梅原「確かに。」
「好きで人見知りやってる訳じゃないの。」
本当は他の方ともっとお話したい。
けど…ねぇ。
梅原「へぇ〜…。」
「へぇ〜って…!!」
斉藤「まぁまぁ…w」
梅原「あ、そう言えばさっき新人さんは結構皆さんとお話してましたよ。」
「新人って………舞ちゃん？」
梅原「俺話してないんで知らないです。」
「冷た。」
斉藤「田中さんって仰ってましたよね。優しいそうな方でした。」
「この差よ。」
え、てかもう舞ちゃんは別の方と……って事は。
「え…私実質1人じゃん。終わったじゃん。」
梅原「ははっ。」
「おい梅原。」
スタッフ「リハーサル始めまーす！」
「ったく…じゃあ席戻るね。」
斉藤「はーい。」
梅原「あい。」
とりあえず………梅原はムカつくが、仕事はちゃんとやらなきゃね。
他の方に負ける訳には行かない。
声優はいつだって勝負だ。
この仕事で爪痕残して主人公演じてやる。
いつまでも狭いアフレコ現場で仕事する訳には行かない。
「よろしくお願いします!!」
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作者名：糸丸子 | 作成日時：2021年8月19日 9時
