恋模様【安元洋貴】 (ページ36)

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江口side

中村「安元さん！」

仕事終わり。

安元さんと帰ろうとした時中村さんが汗だくでこちらに向かってきた。

中村「江口も……ちょうどよかった。」

江口「え？」

安元「どうした？」

中村「あの、特に安元さん。落ち着いて聞いてください。」

安元「え？何だよ。」

安元さんが不安そうな顔で中村さんを見る。

中村「神家さんが事故に巻き込まれて病院で手術中だそうです。」

安元「…………は？」

一瞬、いや3秒くらい頭の中が真っ白になった。

神家さんが？

江口「神家さんは………無事なんですか？」

そう聞くと中村さんは言いにくそうに口を開いた。

中村「正直結構ヤバいかもって。」

江口「……嘘ですよね？」

中村さん？と聞くが中村さんの表情は変わらない。

俺は恐る恐る安元さんを見た。

安元さんは信じられないと言わんばかりに目を見開き、固まっていた。

中村「なので、今から病院行きましょう。悠木と田中さんが先に向かいました、」

江口「…分かりました、安元さ……。」

安元さんは首をフルフルと首を動かした。

安元「ちょっと、ちょっと待って……。」

信じられないんだろうな、でも当たり前だ。

江口「安元さん……。」

こんな時どう声を掛ければ良いんだろう。

中村「安元さん。無理して行かなくても…」

その瞬間、安元さんは深く深呼吸した。

そして覚悟を決めたような顔で言った。

安元「………いや、行く。」

江口「安元さん。」

安元「……大丈夫。神家さんは絶対助かる。」

中村「……そうですね。」

安元さんの体は少し震えていた。

江口「………行きましょう。」

しっかりしよう。

神家さんは絶対戻ってくる。

そう信じて俺達も病院に向かった。