13話 ページ14
「……あぁ？ あいつら、どこへ行きやがった……？」
木箱をバァンッ、と蹴る音に肩を震わせる。暗い箱の中で息を殺しながら、恐ろしい殺人鬼がいなくなるのを必死で願う。
「こんな箱、全部、ぶっ壊すか」
男の独り言にAは目を見開いた。
「神様……」
レイの口から息が漏れた。胸の前で指を絡めて、じっと目をつぶって、ただひたすらに祈っているレイの姿が暗闇の中でぼんやりと見えた。だがそんな祈りもむなしく、男が木箱を壊していく豪快な音が鼓膜を破りそうな勢いで響く。
(……！)
男がこちらに来る気配を感じて、Aは体を丸めた。箱の中でできるだけ隅の方に体を寄せながら、声を、息を、気配を殺す。
「くそっ、どこにもいねぇじゃねぇか！ 見つけたら容赦しねぇ！」
────奇跡だった。
男は隠れている箱を斬りつけることなく、イラついたように吐き捨てるとどこかへ去っていった。しばらくは恐怖で動けなかったが、やがて足音が消えた時、Aはようやくほっと息を吐き出した。
(行ったのかな……もう、出てもいいかな)
怯えながらも箱の中から顔を出し、辺りを見回す。どうやら、殺人鬼は本当に去ったようだ。
「あの、小鳥……」
同じく木箱から顔を出したレイが思い出したかのように小さくつぶやく。Aは血の色と匂いを思い出して、また少し頭痛を感じたが、さっきほどではない。
「……小鳥のところ、行こうか」
そう言うと、レイは小さくうなずいた。
(……レイ。すごく、悲しそう)
小鳥を見た時のレイの笑った顔を思い出して、心が痛くなる。
(あの殺人鬼にもう一度見つかったら、今度はすぐに殺されてしまう……あの小鳥みたいに)
死にたくない。
殺されたくない。
体がぶるっ、と震えた。
(アレに見つかる前に、このフロアをでないと……)
耳の奥で、まだ男の笑い声が響いていた。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
