12話 ページ13
飛び散る血。
ちぎれ飛んだ白い羽。
そして、鼓膜を貫く激しい哄笑。
「ヒャッハハハハハハ！！」
突然の出来事に呆然とする2人の目線の先には、狂気的な笑みを浮かべる、背の高い男が立っていた。顔は分厚い包帯でおおわれていてよく見えない。そして、その手には物語の中に出てくる死神が持っているような、大きなカマが握られていた。
(『連続殺人鬼』……！)
Aの頭の中にその単語が浮かび上がる。このフロアで幾度も見た新聞記事。まさか、この男が新聞記事にあった殺人鬼なのか……？
「今、お前は、満ちた顔をしやがったな」
男はニヤリと笑って、レイを見下ろした。
「でも今は絶望だ……！」
男は大声で言い放つと、一歩ずつレイに近寄っていく。それを見て、Aもレイに駆け寄った。もちろんこわい。だが、一人だけ逃げることはできない。
「今からお前らに、三秒くれてやる。だからさぁ、逃げてみろよ？ そして泣いて叫んで命ごいをしろ！ もっと見せろ、絶望の顔を！」
レイの肩に手をかけて逃げよう、と呼びかけようとした時。
目に鮮やかな赤色がうつりこみ、むせそうなほど濃い、血の匂いが鼻に届いた。
それは、今しがた飛び散ったもの。生々しく、そして新鮮な───紛れもない生物の、血液。
その瞬間、なにかが頭の中でちぎれたかのように、激しい頭痛が襲いかかる。
何もないはずの記憶の中を食い破りながら何者かが進んでいくような、そんな訳の分からない感触が、Aの脳内を引き裂いた。
(……！？)
痛い、痛い、痛い！
声が出ない。目の前が真っ白になる。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ！
体は言うことを聞かない。力が抜けて、その場に崩れ落ちた。苦痛。無情にも意識が遠のく。
────逃げなきゃ。
その時、誰かがAの腕を掴んで立ち上がった。その感触が、Aの意識を現実に引き戻す。レイがAの手を引いて、走り出していた。
(……しっかりしなきゃ)
引きずられるように立ち上がった次にはしっかりと自分の足で走り出す。
────三秒。その時間で、隠れられる場所へ。
頭の中で探索した場所の一つ一つを思い描く。そして思い浮かぶ隠れ場所。考えていることは同じなようで、レイはそこへ向かっているらしい。後ろから聞こえてくる狂気的な笑い声を耳から追い出して、全速力で走り続けた。
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暇人9号(プロフ) - リア.........。オリキャラと同じじゃん。 (2020年12月20日 13時) (
レス) id: 2a2b2b394e (このIDを非表示/違反報告)
9Sに殺されたいロリコン - リアさん» 派手さがますのでアタシはオススメしませんけどね…… (2019年12月8日 18時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 「ベースデザインを設定」で背景は変更できますよ。 (2019年5月25日 19時) (レス) id: 1e8f4916fe (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 日向クロさん» 初めまして、コメントありがとうございます！この小説を読んで下さり、ありがとうございます。背景の色、ですか…実はあまり占ツクの使い方分かってないのです(汗)なるほど、背景の色を変えれるのですね！色々試してみますね、ありがとうございました！ (2019年4月27日 9時) (レス) id: aa65f53a7e (このIDを非表示/違反報告)
日向クロ - 初めまして。とても面白いお話ですね！ところで、背景の色を変えたりはしないのですか？それやると面白さが上がると思いますよ！ (2019年4月21日 18時) (レス) id: eebf1123f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リア | 作成日時：2018年8月4日 21時
