あふれてしまう、そのまえに。〜2〜

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明るく言い放つようで、何処か牽制しているかのような
沢くんの口調は若干早口で、


テヒョンくんは、少し、首を傾げて、


「おとこ？ともだち、」


ゆっくり繰り返す。


「ちょっ、と、沢くん、」

制しようとしても逆に「Aさんはちょっと黙って。」と制され


「ただの男友達は、手を繋いだり、抱き締めたり、
そういうのしないんですよ。

店員さんがどういう人で何考えてるか知らないけど、遊びたいなら、相手は選んだら？

あなたなら選びたい放題でしょ？」


今度は少しゆっくり話す沢くんの話を

じっと聞くテヒョンくん。


ああ、もう、なに…

Aは、今、まさかの登場人物から、まさかの核心をつかれ
うな垂れる。

こんなの…
テヒョンくんが、
そうだねって、言う通りだねって

そう思ったら…

もう終わりなのに。

待ってよ、

私はまだ何も伝えてないのに。

まだ何も。

正体の分からない涙がこみ上げてくるAに


「Aちゃん。」


優しく名前を呼ばれ
ふと見ると、

大丈夫、というように微笑むテヒョンくん。


「ぼくが、Aちゃんにはなすとき、さわるとき、

ほんとうのきもちでうごいてます。



だから、


ぼくは、おとこともだち、は、なれない。」



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