4. 今日の依頼 A side ページ6
「カズちゃん。今日の依頼ってなんなの？」
おれは気になってカズちゃんに聞いた。
あ、カズちゃんって言うのは愛称だよ？
これは、おれだけの呼び方なんだ〜！
特別な感じ、するでしょ〜？
おれが聞くと、カズちゃんはゆっくり話し始めた。
「今日の依頼は２つのつもり。ひとつは30代女性から。もうひとつは政府から。どっちから聞く？」
カズちゃんがそういうと、リーダーが迷わず答えた。
「女性のほうから聞こうかな」
「だよな〜。そう言うと思ってたよ」
「潤も？おれも思ってたー」
そう。リーダーが迷わず女の人のほうを選ぶのは、問いかけたカズちゃんも含めて、全員がわかっていたこと。
リーダーが政府を優先するなんてこと、絶対にないから。
「女性のほうの依頼は、母親が引っかかってしまった詐欺について調べて、その詐欺グループの証拠全てを警察に提出してほしい。っていう依頼。
報酬は、1.000.000。内容のわりに金額が高いってことは、多分かなり困ってるんだと思う。
だから、今日きたばっかりの依頼だけど受けるよ！」
なるほど〜！ 詐欺被害か〜。
最近多いっていうもんな〜。
納得してると、隣で翔ちゃんが頷いて言った。
「確かに、警察に届けるってのは簡単だな。おれら3人、現役刑事だし？」
「そうだね〜。実質、詐欺について調べればOKってことでしょ〜？」
「まぁ、依頼だしちゃんと調べて渡すか！」
「だな！」
リーダーも松潤も翔ちゃんの言うことに賛成していた。
まぁ、確かにって思うけど…。 でも…
「女の人にとっては本当に辛かったんだろうな…」
だって、そうじゃなかったら依頼なんてしないよね…？
思わず呟くとカズちゃんが、哀しそうな顔をして頷いた。
「そうだね…。この依頼は、翔ちゃんと潤くん、リーダーにお願いしてもいい？
翔ちゃんには、詐欺グループ及び手口について、調べてほしいな。
潤くんには、知り合いの刑事さん達から情報を得て、それを翔ちゃんに伝えてほしい。
リーダーも同じように喫茶店での聞き込みを…」
「もちろん、いいぞ！」
「お安い御用だ！」
「うん、いいよ〜」
「ありがとー！」
さすがカズちゃん。 完璧な人選！
翔ちゃんの技術と、松潤の人脈と、リーダーの喫茶店での聞き込み…。
まさに、完璧な役割分担！
これ…おれがいたら、絶対におかしくなるなぁ(笑)
5. 政府からの依頼 S side→←3. 喫茶店の秘密 O side
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作者名：華美月 x他1人 | 作成日時：2022年10月1日 23時
