秘密の喫茶店《山風ふるさと》 (ページ29)

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26. 人気店　S side ページ29

智くんから連絡を受けて、おれたちはさっそく喫茶店へと向かった。

潤の運転で喫茶店へと向かう…んだけど…。
家に帰るよりもなぜか足取りが重いと感じてしまう。

「仕事で喫茶店なんて久しぶりだね…」
「むしろ初めてに近いよな…」

そう。手伝いでたまに喫茶店にいるけど、仕事で行くのはほとんど初めてに近いんだ。

だから…少し、緊張してるのかもしれない。

「リーダーが許可くれてよかったね」
「そうだな…」
「手伝いをお願いされたけどね(笑)」

おれが苦笑いしながらそういうと、2人も笑った。

緊張した雰囲気から一変、いつものおれららしい雰囲気になった。

やっぱりこうじゃないとな(笑)

「さてと、ついたぞ」

車は家のほうへ停めて、喫茶店の入り口へと向かう。

中をみると、意外とお客さんがいる…！？

「こんな人気だったんだね…」
「だな…。すげぇな、2人」

雅紀も潤も、もちろんおれも、こんなに人気だなんて知らなかったため驚いて言葉が出てこなかった…。

「中、はいろっか！」

雅紀のひと言で、中へと足を進めた。

「いらしゃいませ〜」
「おつかれさまぁ〜」

中にはいると、2人が笑って向かい入れてくれた。

中には老若男女、多くの人たちがいた。

少し店内を見回すとその中に、目当ての2人はいた。

しかも、同じ席に座って…。

「忙しいのにごめん。早速いいかな？」
「うん、大丈夫だよ」
「…あとで、内容教えてね」

カズにそう言われ、頷いた。

本来なら、極秘にしなきゃいけないことだけど、この2人には極秘にする理由がないから。

「じゃ、また後で」
「コーヒーもってくね！」

そう笑って言う智くんの言葉に少し救われた気がした。

「ケーキも食べたい！」
「それは、仕事が終わってから！」

いつものように言う雅紀に、カズがつかさずツッコミを入れていた(笑)

2人は他のお客さんのところへと向かったので、おれたちもあの2人のところへ足を進めた。

「すみません、ちょっといいですか？」

話をしていた2人に向かい、そういうと不思議そうにこっちをみてきた。

「わ、私たちに、、ですか？」

どうやら動揺しているようだった。

そりゃそうだな。だって、急に話しかけたんだから。

「すみません、ぼくらはこういうものです」

おれたちはそういいながら警察手帳を取り出した。