秘密の喫茶店《山風ふるさと》 (ページ28)

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25. お目当ての人たち　O side ページ28

無事にケーキも完成して、開店時間になった。

いつものように看板をひっくり返すため外にでる。

「今日もきれいな空だぁ〜」

今日も快晴、いい天気！

『準備中』から『Open』にかえると、人が向こうから歩いてくるのがみえた。

「おはようございます」
「おはようございま〜す、お母さん」
「ふふ。今日もお邪魔しますね」
「どーぞ〜」

歩いてきてたのは、拓郎のお母さん。

拓郎は学校のためおらず、1人できてくれた。
今日は月曜日だからね(笑)

お母さんが中にはいり少しすると、竹原さんもやってきた。

「おや、智くん。おはよう」
「あ、おはよ〜！竹原さん」
「今日も開店かい？」
「うん、ゆっくりしてって〜」

そういうと、にっこり笑って竹原さんも中にはいっていった。

その後もお客さんはきてくれて、中にはいってく。

ひと通りお客さんがきて、あまり人が来なくなった頃。
中に戻る前に、あるところにLINEをいれた。

『お目当ての人、きてくれたよ』

来なかったら…って考えてたけど、2人とも来たからね。

彼らの仕事の手伝いはしないとだしそれに、2人がどう関係してるのか、気になる…。

柄にもなく考え込んでいると、お店の中からカズがでてきた。

「リーダー、戻ってきてよ〜！」
「うわぁ！？…ってカズ！ごめんごめん」

少し怒り気味のカズに謝ってから、おれはひと息ついて中にはいった。

お店の中ではお客さんたちがケーキやドーナツ、ホットケーキを食べていた。

竹原さんと拓郎のお母さんは、今日は同じ席に座りコーヒーとケーキを頼み、何やら話し込んでるみたい。

2人には悪いけど、こっちにも事情があるんだ…。

心の中で2人に謝りながら、おれはキッチンへと、カズのいるほうへと足を進めた。

「ごめんな、カズ」

おれがそういうと、カズは困ったように笑った。

「それはどういう意味で？遅れたこと？それとも…」
「両方だよ」

カズの言葉を遮って言うと、カズは首を横に振った。

「ぼくに謝ることないでしょ？」
「でも、ごめん」

そういうと、カズは困ったように笑った。

「謝らないでよ。…謝られる理由、わかんないよ」

そういって2人のほうをみるカズは、やっぱりどこか辛そうだった…。