秘密の喫茶店《山風ふるさと》 (ページ26)

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23. 3人からのお願い　O side ページ26

全く！ケーキ作りはドーナツとホットケーキよりもめちゃくちゃ大変なのに〜！！

「全く！カズがくるまでやらないっこしようかな」

…さすがにカズが怒るかな。

「しょーがない、やるか！」

そう意気込んだら急に電話がかかってきてびっくりした。

「？誰だろ…？」

料理中のカズにお願いするわけにもいかないから自分で受話器をとった。

「はい？こちら喫茶店《山風ふるさと》で〜す」
『あ、智くん？おれ、翔だけど…』
「？翔くん？どうかしたの？」

なんだろ…？翔くんからこっちにかけるって珍しい。
しかも番号が警視庁の番号だし…。

『あのさ、昨日の話なんだけど、2人に話を聞くために喫茶店に行ってもいいかな？』
「2人…？あ、竹原さんと拓郎お母さんのことね」
『そうそう。ダメ？』
「別に大丈夫だよ？だけど、また手伝ってくれる？」

手伝ってくれると、めっちゃ助かるんだよね…！

特に…松潤に手伝ってもらうと…

おれがそう聞くと、翔くんは急に困った声になった。

『仕事で行くからさぁ〜、手伝いはちょっと…』

…松潤にケーキ作り、手伝わせようと思ったのに…

おれが黙りこむと、翔くんが申し訳なさそうな声で言ってきた。

『ごめんよ、智くん』
「…いいよ、別に。翔くんは悪くないし」

はぁ。頑張るしかないかぁー！
カズのドーナツとホットケーキ作り、早く終わらないかなぁ？

『とりあえず、行かせてもらうね！』
「ん。待ってる」

そう言って電話を終えた。

翔くんたちが来るならコーヒーも用意しとかなきゃ。

おれは料理中のカズに、話しかけた。

「カズ？」
「ん？なぁに？電話してたみたいだけど…」

顔を覗かせたカズは、首を傾げて聞いてきた。

「翔くんだった。なんか、竹原さんと拓郎お母さんに用事があるみたいだからお店にくるって」
「あ、なるほどね。ついでに手伝ってもらいたいけど…」
「無理だって断られたぁ」

カズも考えることは同じだったみたい(笑)

「そっか…。潤くんに手伝って欲しかった…」

ほらね？おんなじだ(笑)

「とりあえず、ケーキ作り終わらせよう」
「そだね！ぼくのほうはもう大丈夫そうだし…、ぼくもそっち手伝うよ」
「ありがと〜！」

ん〜、とりあえずケーキ作りしないとね！

もう…、7：20だし…(笑)