秘密の喫茶店《山風ふるさと》 (ページ12)

今日:20 hit、昨日:12 hit、合計:14,993 hit

10. 開店　O side ページ12

フレンチトーストも完成して、開店準備完了！
開店時間に間に合ってよかった〜。
この前は間に合わなくて、常連さんに笑われちゃったんだよね〜(笑)

「さてと！開店時間になったし、看板変えてくる〜」

キッチンにいるカズにそう言って、外に出た。

外には『Open』と『準備中』と書いてある看板がある。
これをいつも変えてるのはおれなの。

看板をひっくり返して、空を見上げてると、向こうから走ってくる小さな子どもが見えた。

「智くん！お店、開店？？」
「お、拓郎〜！そうだぞー、入る？」
「今日のメインはなんですか？」
「今日は、フレンチトーストだぞ〜」
「入るーー！」

元気よく中に入って行った拓郎を笑顔で見てると、お母さんも遅れてきた。

「すいません、拓郎が…」
「いいえ〜。拓郎は、このお店の大切なお客さんですから。あ、お母さんも中にどーぞ！」
「うふふ。ありがとうございます」

拓郎とお母さんは、よくお店に来てくれる常連さん。

だいたい同じ時間にこの辺を散歩してて、開店時間くらいにここを通るんだ。
そんで、「いつもメインはなんですか」って聞いてくるんだ(笑)
拓郎が興味ないものだと、入らなかったりするの(笑)

「おや、智くん。今日も開店かい？」
「あ、竹原さん！いらっしゃい。そうだよ〜」
「そうかい！んじゃ、ありがたく入らせてもらうよ」

開店と看板をひっくり返すとき、いつもこうやってみんながタイミングを合わせたかのようにくるんだ。

まぁ、みんなお店に入ってくれるから大切なお客さんなんだよね〜(笑)

「リーダー！また、ぼぉ〜っとしちゃって！お客さんが入ってくれてるんだから手伝ってよね！！」
「あ、ごめんごめん(笑)」

ぼぉっと考えごとしてたらカズに怒られちった(笑)

1回深呼吸して、おれも中へと戻った。

さぁ、今日も開店！
喫茶店も依頼のほうも頑張らないとね！