38 ページ38
・
Aは今目の前で起こった出来事が、全て夢だと思った。
これが現実だなんて、信じられなかった。
…信じたくもなかった。
彼が死んだ？
嘘だよね…？
だって、姿が見えないよ？
悪戯好きな貴方の事だから、きっとそのアーチの向こうから、ひょこっと顔を出すんでしょ…？
私達が驚いたのを見て、楽しそうに笑うんでしょ…
シリウス…
……
Aは完全に思考が停止した。
ハリーの泣き叫ぶ声が、頭の中で響いていた。
・
・
高く笑う声に、Aはハッとした。
目の前の女に目を移す。
「…あら、久しぶりだねぇ〜？子猫ちゃん？相変わらず可愛いこと」
ベラトリックスは意地悪くニヤリと笑った。
Aは大きく目を見開いて、今しがた、かつて愛した元恋人を殺した女の姿を目に焼き付けた。
『…ベラトリックス…』
「イヤだ、ベラ、とお呼びよ。昔のように」
さも嬉しそうに笑いながら、猫撫で声で言う。
『…貴女、何したか判ってるの？』
「何したかって？ウフフ、シリウスを殺ってやったのさ！ご登場がちょっと遅かったねぇ、A？」
高らかに笑う彼女を、Aは睨んだ。
そして杖を握り直し、構えた。
「…私とやり合おうってのかい？」
『…構えなさい』
「…！」
ベラトリックスは、Aの気迫に怯んだ。
しかし、再びニヤリと笑った。
「お前とは闘わないよ、A」
『何故…⁈』
「あの御方の命令だ」
『…？』
「…我が君のね！」
次の瞬間、ベラトリックスは杖をAに振りかざした。
同時に、ハリーを抱きかかえていたルーピンが叫んだ。
「A！！！」
『うわっ…！！！』
瞬時に避け、床に転がった。
魔法が足元を掠めた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…！精進します。これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです！ 久々に時間を無視して読みました！これからも、応援します！ (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：piyo | 作成日時：2019年11月16日 22時
