25 ページ25
・
どのぐらいの時間が経っただろうか、用意していたシャンパンとワインのボトルは空になっていた。
Aはフゥ、と息を吐き、壁に掛かった時計を見上げた。
『もうこんな時間か…だいぶお酒が回ってきちゃった』
「まあ、本当ですわね。もっとお話していたいですけど、わたくしはそろそろ失礼しますわ。彼とも仲直りしなきゃ」
カミーユは困ったように微笑んだ。
Aも頷く。
『そうだね、それが良い。あまり時間を空けると仲直りし辛くなるから…』
「ええ。あの…A？」
彼女が少しモジモジとしながら言うので、Aは首を傾げた。
『ん？』
「またこうやって、お話出来たら嬉しいのだけど…」
『もちろん！』
そう言うと、彼女は嬉しそうに部屋を出て行った。
彼女が出て行くのを見送った後、Aはベッドに仰向けに寝転んだ。
『楽しかった…』
「それは良かった」
ーえ？
誰の声？
Aはベッドから飛び上がり、杖を構えた。
確実に窓の方から声がした。
Aはその体勢のまま動けなかった。
窓がゆっくりと開いた。
『ホメナム・レべリオ(人現れよ)！！』
Aは叫んだ。
すると、Aは心底驚いた。
目の前に、2人の男達が立っていたからだ。
『…シリウス…リーマス…！』
「…おいおい、酷いな。ま、以前の様に麻痺させようとしないだけマシか」
シリウスは肩を竦めて笑った。
Aはワナワナと震えて言った。
『…デジャヴだ』
「デジャヴ？」
ルーピンが微笑みながら言うと、Aは顔をサッと赤らめた。
そしてシリウスの方を指差して言った。
『前もこうやって窓から入って来て、私を驚かして…！この男は！』
シリウスは肩を竦めた。
リーマスは溜め息をつく。
「だから止めようと言ったんだよ…シリウス」
「だってこれしか方法が見つからなかったのだ。仕方ないだろう？」
シリウスはさも当たり前の様な顔をして言った。
「すまないね…A」
ルーピンが困った様に微笑んだ。
Aはしばらく頬を膨らませていたが、やがて、2人に向かって走り出した。
そして抱きついて、笑った。
シリウスとルーピンも嬉しそうに笑い、彼女を抱き留めた。
『…2人とも！会いたかった！！！』
「ああ！A…やっと会えたな」
「元気にしていたかい？」
シリウスとルーピンの声に、安心する。
何度も頷いて、彼らを見上げた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
piyo(プロフ) - 絢姫さん» 絢姫様、コメントありがとうございます(^^)とっても嬉しいお言葉…！精進します。これからもよろしくお願いします！ (2019年11月23日 22時) (
レス) id: 1647fc4bda (このIDを非表示/違反報告)
絢姫 - とても面白いです！ 久々に時間を無視して読みました！これからも、応援します！ (2019年11月23日 16時) (レス) id: df8558907b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：piyo | 作成日時：2019年11月16日 22時
