第8話【守りたい】 ページ9
その言葉を繰り返し言い続ける彼女に、俺は辞めてほしいという事を言うのをやめた(今でも時々言うけど)。
──Aとは、小学生の頃からの幼なじみ。俺の個性が洗脳だと知ると、周りから人が去っていった。けれどただ一人、Aだけは俺と一緒にいてくれた。
『その個性、めっちゃ素敵だよ。ヒーローになったら、ヴィランなんてあっという間に洗脳されて撲滅するし！』
ヒーローになる事を諦めていた俺に、小さな光が見えた。彼女の何気ない一言で、どんなに救われたか。
そんな彼女は、俺達の世代には極めて珍しい『無個性』だった。そのせいで、よくイジメられていた。その度に俺が個性を使ってAをイジメたクソ野郎共を成敗した。
『心操くんは、誰が何と言おうと私のヒーローだよ』
Aの顔の切り傷を手当てして、バンソーコーを貼った時に言ってくれたっけ。当時は嬉しすぎて思わず泣いてしまった。
中学に上がると、彼女は鬼殺隊としての本格的な活動を始めた。足や腕を骨折なんて日常茶飯事、時には肋を折って入院した事もあった。
──彼女を守りたい。
そんな思いでヒーロー科の試験を受けたが、結果は不合格。そして彼女は合格した。
『キメツ学園に行くんじゃなかったのか』
『そうしようと思ったんだけど、気が変わったの』
『ふーん』
これは後でA本人から聞いた話だが、彼女はキメツ学園の理事長、産屋敷さんにキメツ学園に入学するよう言われていたらしいが、彼女は土下座して雄英高校に行かせてほしいと頼んだらしい。
今思えば「なんで？」と思ったが今朝の理由を聞いて心底震えた。
「心操くん、行こ」
「……あぁ」
「もー、午後の演習だるすぎ」
「何をやるんだ」
「鬼ごっこ」
「……鬼ごっこ？」
「そう。ちなみに逃げるのは私だけ」
「中々キッツイ事やるな。本当に大丈夫か？」
「大丈夫だよ。心配しないで」
俺は年々、過保護さが増してきているらしい。「なんか心操くんって、お母さんみたいだね」とこの前彼女に指摘された。
過保護も何も、幼なじみを心配するのは当たり前だろう。ましてや、鬼殺隊に入っていたら尚更。
「私、呼吸を取得してるので」
「俺も取得しよっかな」
「心操くん訓練やったけどダメだったじゃん」
ケラケラと笑いながら肘でつつく彼女に、うﾞっと反論できなくなる。訓練はとんでもない程体力を消耗するし、なんせ俺は体力が人よりそんなに無い。だから産屋敷さんにも無理だと言われた。
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ぴーす。(プロフ) - すいません！鬼ごっこの話なんですけど、夢主ちゃんが鬼だったら、皆を追いかける側じゃないんですか？多分、話の内容的には夢主ちゃんが逃げで皆が鬼だと思います！ (5月25日 17時) (
レス) @page11 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
ここぴ - セバスチャンは笑いましたw 応援してます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 9f9f73557c (このIDを非表示/違反報告)
ばなな味のあくえりあす - 珠世さんが鬼になって二百年ほどで愈史郎を作る、戦国の時代の縁壱が生きていたのが約三百年前なので約百年は違うんじゃないでしょうか? (2020年5月6日 21時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
チャケマン - あの46話の悲鳴嶼さんって手紙を読めるんでしょうか？ (2020年4月1日 19時) (レス) id: de774af347 (このIDを非表示/違反報告)
こーちゃ - ハーレムがヤバいです(語彙力がw) (2020年3月4日 17時) (レス) id: d7ebd024c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2019年12月28日 15時
