メモNo.21(私とあらかわさん) ページ25
「ねぇねぇあらかわさん」
『ん?』
あらかわさんが振り向いてくれない
「あらかわさん」
『うん』
呼んでも振り向いてくれない
「ちょっと散歩してくる」
『え?どうしたの?』
やっとあらかわさんが振り返ってくれたが、私が拗ねたからいい
『どうしたの?』
あらかわさんに声をかけられるが、私は拗ねると気が済むまで拗ねるタイプだから諦めてほしい
『愛華?』
あらかわさんが私の腕を優しく掴んで向かせようとするけど、私は子供だからそんな簡単に振り向かない
「ねぇ、愛華?ちょっとこっち向いて?」
あらかわさんの優しい声に心配そうな顔、でも拗ねた私に効果はない
『俺もついて行ってもいい?』
私を心配する声に顔をして私を見上げるけど
「やだ、来ないで」
あらかわさんに伝えればあらかわさんは驚いた顔をして私を見る
「一人で行けるよ、そんな遠くないし」
掴まれている腕を振り払ってあらかわさんのいる部屋を出て、自分の部屋に戻る
「あらかわさんはお仕事だけど…あらかわさんが…」
子供の性格だから拗ねたら機嫌を取らなければいけないのは自分の役目なのに、簡単に自分で機嫌を取ることさえできない
「外に行こう…」
必要な物を持って自分の部屋をでて玄関を出るといつもと同じなのに寂しく感じる
「あらかわさんのばか…」
扉に呟いて一人で歩き出す
メモNo.22(私とあらかわさん)→←メモNo.20(私とあらかわさん)
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:P4lwL6FvcvmThfX | 作成日時:2022年2月18日 16時