空振り三振悪党業《三振目》3 ページ44
__________通行人side__________
「なぁ、俺達にもできることはやろうぜ！」
思わず口を突いて出たその言葉に反対する人は誰もいなかった。それどころか、みんな我先にと手伝おうとしている。
そこに、いつの間にか戻ってきていたあの少女が俺達に向かって叫んだ。
「被災者を新鮮な空気のある元へ連れて行ってください！倒れてる人はできるだけ頭は動かさないように！
それから、消防隊員が分かりやすいように一塊で移動してください！あと一部屋行ってきます！！」
そう叫んで、また炎の中へと舞い戻った。
一瞬驚きで固まった俺達だったが、言われた内容を実行するためにまた動き出す。
「こっちは煙が来ないぞ！風上だ！！」
倒れてる人を、頭を動かさないように気を付けながら誰かが見つけた新鮮な空気のある場所へと運んで行く。
歩ける人達には歩いてその場所まで移動してもらうことになったが、誰一人嫌な顔はしなかった。
そしてその場所に着いた時、ちょうどあの少女と最後の逃げ遅れた人達がビルから出てきた。
少女は、俺達を見つけるとまっすぐこちらへ向かって来たかと思えば、気遣わしげな視線を送りながらも比較的軽傷の社員に尋ねた。
「これで全員ですか？」
「えっと、1、2、3、………163……！！はい、全員です！！」
「そうですか！」
次いで、少女は俺たちを見る。
「みなさんのお陰です！助かりました！本当にありがとう！！」
まるで自分の事のように喜ぶ少女はそう言った。
__________消防隊side__________
消防車のサイレンが車内にも響く中、思わず唇を噛み締める。
建物がまるまる一軒燃えてしまうという火災の中で、俺たちは渋滞に遭ってしまいなかなか前に進めなかったのだ。
悔しくて仕方ない。現場に向かっている隊員も、そうでない隊員もそう思っているだろう。
……………
………
…
やっと着いた。そう思った時には通報からもう40分は経過していたか。ビルはもうほとんど倒壊していて、こんな状態じゃ何人救えるか……クソッ、考えるのは全部終わった後だ！
消防車から飛び降りて、部下に命令をする。
「すぐにビルに入れ！！逃げ遅れた人々の救出を急げ！！」
「「「「「「はい！！」」」」」」
「あ、あの！」
乗り込もうとしたちょうどその時、写真を握りしめている壮年の男性に声をかけられた。何でもこのビルに会社を構えていた、とある有名ホテル会社の社長だそうだ。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
