空振り三振悪党業《三振目》 ページ42
ユニ○ロで買った白いパーカーを着て、昼間でも少し薄暗い路地に入る。
「……あっちぃな」
昼近くになってだんだんと暑くなってきた。まだ5月上旬とはいえバカにならない暑さだ。
そこで、下ろしていた髪をあげることにした。
胸まで伸びたサイドの髪を多めに残して、後ろで一度ポニーテールに。
残していた髪を三つ編みにして結び目に巻きつけてふわふわとボリュームを出す。
鏡を取り出して確認してみる。
「うん、いい感じ！」
嬉しくなってはしゃいだ声を出しながら横を向いたりして確認する。どこから見ても可愛く纏まっている。暑さも凌げて一石二鳥ね！
心が浮き立って足取りまで軽くなる。
「くふふふふ！」
「にゃん」
一鳴きして肩に乗ってきたエリーさんを撫で、スカートのポッケに手を突っ込みナイフの刃線をなぞる。
うんうん、切れ味バッチリ (らしい) ナイフも手に入ったしこのままチンピラ集団にでも突っ込むかぁ！腕が鳴るわ！
「ん？」
さっきまで全然暑さなんて気にならなかったのに、急に暑さが襲ってきた。
いや、これは熱気？
「んにゃあ！！(ご主人！あっち！！)」
エリーさんに言われて少し入り組み始めた道を駆け足で進む。
進むにつれて、バチッ！！とはじけるような音が大きくなってくる。これはもしかして______
――ボォォォォォオオ……バキッ！！ガラッ！！
「や、やっぱり！？」
______もしかしなくても、水蒸気が木の組織を破壊する音だった！
燃えているのは4階建の幅も奥行きも大きいS造ビルで、火は1階から激しく燃え上がり、煙は路地の空を覆うほどに立ち上っている。
しかもこの辺りは路地風が強い。
路地風の強さは建物の角度とか風向きに依存するから、突風が吹くこの辺りは条件が重なりすぎたか。
普通、こんな悪条件が揃った土地じゃ火の扱いは余計に注意するようにってのが定石なのに。
「まさかわたしの悪意に気がついて、巻き込まれる前にみんなで焼身心中しようっての！？」
そんなに悪意だだ漏れだったか。というか自分たちから巻き込まれにきたら本末転倒なんじゃ？
……ん？一般人が勝手に巻き込まれにきてるけれど、これはもしかして結果的に一般人を(間接的に)巻き込んでしまってるってことになる……？
つまり悪党の流儀に反してる……？
「……クソがっ！」
エリーさんを火元のない場所に置き、猛スピードでビルに入った。一般人は誰も巻き込まない。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
