公開しすぎる情報。 ページ5
あれから立体起動装置の調査が憲兵によって行われた。
それと同時に卒業兵たちの所属兵団決定の勧誘式があと30分に迫っていた。
レオナとアルマはエルヴィンの後ろに立つだけではあるが一緒に式を迎えなければならない。
キースの煩い声で式辞が始まり憲兵や駐屯兵が思い思いに述べていく。
安定した生活だの云々。だいたいエルヴィンが言うことが察せていたレオナ達は次に壇上に上がるのが嫌になってくる。
「それでは次、調査兵団のエルヴィン団長より挨拶をしてもらう。」
「第１３代団長、エルヴィン・スミスだ。所属兵団を選択する本日、君たちにするのは調査兵への勧誘だ。」
エルヴィンの両サイドにレオナとアルマが出てきて、後ろに手を組んで立つ。
「今回の巨人の襲撃により、巨人への恐怖と己の力の限界を知った。
だが人類はこれまでにない勝利への前進をした。エレン・イエーガーの存在だ。
彼が間違いなく我々の味方であることは、彼の命がけの働きが証明している。
さらに彼によって巨人の進行を阻止するのみならず、巨人の正体にたどり着くすべを獲得した。
彼の生家の地下室にたどり着きさえすれば、我々はこの100年にもわたる巨人の支配から逃れられるかもしれないのだ。」
そのエルヴィンの公開しすぎる情報にざわつく。レオナとアルマは次に、大きな資料を広げた。
「我々はシガンシナ区の地下室を目指す。だがそのためにはウォールマリアの奪還が必須となる。つまり目標は同じであるがトロスト区の扉が使えない今、カラネス区から遠回りしなければならない。
4年かけた航路が一瞬にして無駄になったのだ。」
レオナとアルマが持ち場へ戻るとエルヴィンはさらに強い意志を持った顔で言葉を続けた。
「この4年で死んだ兵士は6割。6割だ。今期の新兵にも一ヶ月後の壁外調査へ参加してもらう。
その一度で3割、四年後にはほぼ全滅するだろう。それでも生き残った兵士が強靭なここに居るような兵士になっていく。今自分に聞いてみてくれ、それでも命を賭してでも壁の外に挑めるかを。」
「･･･団長、必要以上に脅しすぎです･･･。」
エルヴィンのその調査兵団の現状の発言に怯えるものも居る、泣く者もいる。
調査兵がエルヴィンを止めるが、エルヴィンはものともしない。
「･･･以上だ。他の兵団の志願者は解散したまえ。」
･･･その声に訓練兵たちはそそくさと去っていくものが大多数だった。
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
