貴方が言っていた。 ページ40
「おい、アルマ、おきろ。」
「朝早起きしたんだから寝かせろよ。」
一方、ミケとアルマ。アルマが寝続けるため、ミケが毎度アルマのルービックキューブを頭に落とす。
「レオナ達は今頃馬車か。」
「あいつらだから心配いらなーい。」
「絶対的信頼か。」
遠くに見える山並みをミケは眺む。アルマも体を起こし、あたりを見渡した。
「レオナが居るからか。」
「うん。もう17年も一緒だからね。死ぬなら、もちろん人類のためでもあるけど、リリーみたいにあいつの指示を信じてか、あいつを守って死にたいな。レオナには数え切れねぇくらい救われたからさ。」
アルマはいろいろなことを思い出して、微笑む。自然から吹かれる風が心地いい。
「いつも言ってるな。」
「そうだっけ。」
カチャカチャとアルマはルービックキューブを回しながら言う。
「アルマ、もし俺が死んだら レオナにマルガリータって酒を作ってもらえ。」
「なんだそれ、ってかミケは強いから死なないだろ。」
「わからんだろ。」
ミケは笑って答えた。野原の風が心地よく、ミケはそのまま横になる。アルマはいいベッドができたと思い、ミケのおなかの上に頭を乗せた。ただ無言の心地のいい時間が流れる。
「？」
ミケはアルマの頭を退けた。
「せっかく寝てたのになんだよ。」
「トーマ、早馬を出せ。お前を含め４機。各区に伝えろ。恐らく１０４期に巨人は居なかった。南より巨人多数襲来！ウォールローゼは突破された。」
「は？」
ミケの握り締めるこぶしから、その危険度が伝わる。アルマが南を見やると、黒い影が見える。
「･･･まじかよ。 ナナバ、104期に伝えてきて。」
「装備は？」
「暇無いし万一があるからさせない。」
「了解。」
ナナバ１０４期のほうに行くと、アルマは目を細め巨人の位置を確定させる。
「５００ｍ前方に九体だね。」
「あぁ。」
アルマは確定させると、帰ってきたナナバを見た。
「私たちは巨人の秘密に一切触れることのできないまま、この日を迎えた。私たち人類は ･･･負けた。」
ナナバは絶望的な顔で言う。その声は震える。
「まだだ。人は戦うことをやめたときに初めて敗北する。戦い続ける限りはまだ負けてない。だろう、アルマ。」
「うん。いこうか。」
アルマはミケを率い、立体起動で下へと降りていった。乗馬の準備を終えると、すぐにその兵舎を出た。
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
