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第57話 ページ10

乙女said






リビングのソファーにもたれ掛かりながら、マグカップ片手にファッション雑誌を読んでいる時だった。

カチャッとドアと開ける音を立てて入ってきた男の表情は無。纏うオーラは陰湿極まりなく、キノコが生えてきそうなレベルで、この世の終わりとぶつくさ言っている。



「なに!?すっごく辛気臭いんだけど!?」



私の金切り声がリビングに響き渡る。

リビングのドアに人差し指で、の文字を書き薄ら笑うAの頬には涙が伝っていて、小さい頃ぶりの泣いてる姿を見た。



「あ、あんたを泣かせるって何事!?」

「さ……、」

「さ?」






さ、から始まるってまさか……。







「桜乃ちゃんに嫌われちまった!」




















「唐突にキスして逃げられた、と」

「桜乃ちゃん顔真っ赤にしてたし、イケると思ってたんだぜ!?これからカレカノとしてハッピーライフだと思って浮きだった!

なのに……っ!」

「なのに逃げられたと……。









当たり前だろうが!!馬鹿野郎!!」



そう直していた言葉使いも忘れ、私は大声を上げながらAに素早くキャメルクラッチを()める。

渾身の力で繰り出される私の技から逃げる気力も反撃する気力も無いのかそのまま床に倒れ込んだAはまたも啜り泣く。
異様な光景に吹き出しそうになるが、Aのやらかした事には心底ドン引き。



「年下の、しかもあんな純情で純粋で、穢れの知らない天使の様な愛らしい子に!何してくれてんだこのクソ野郎!それが普通の反応だゴラァ!」



大声で巻舌気味にそう罵倒すれば震えながらもゴロゴロと左右に転がり出す仕末。



「じゃあ、どうすりゃあいいんだよ!」



ちゃんとした恋愛は初心者なんだよ、そう呟く様に言ったA。
確かに、今までの彼女達はなんだかんだ好み装っていた女ばっかですぐ冷めて振ってばっかだったのよね。
やる事やって捨ててきた、私とダーリンみたいに好き同士で付き合ってきたわけじゃないし……。

だとしても、この歳までやる事やって恋愛初心者ってのも気味悪いけど。



「この乙女ちゃんが、恋愛初心者のAに教えてあげるわ!」



一応双子の片割れだし、それに桜乃ちゃん程の可愛い子を取り逃してほしくないもの。

この私が、Aの為に一肌も二肌も脱いでやろうじゃない。

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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか? (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年9月4日 12時

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