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第55話 ページ8

桜乃side




レギュラーになってからの練習では特に何もなく部活が終了した。

虎谷先輩と仲の良い先輩も、何もしてこない。
身構えて行った割にはあっさり終わってしまって凄くびっくりした。




「地区予選も次が準決勝。男子と同じ日程だから少しギャラリーが多いかもしれないわ。竜崎さんもオーダーに入れるから気を引き締めてね」




終わり間際、レギュラーへ向けて部長からそんな話があった。

ぼんやりと聞いていたら名指しで言われびっくりしたけれど、オーダーに入れると言われてレギュラーになった実感がようやく湧いてくる。

部長から言われた言葉が嬉しくて、ラケットバッグを持って私は一番にコートを出た。
駆け足で、Aさんがいるであろう喫茶店へと向かう。


試合に出れるのが嬉しくて、この気持ちを彼に一番に伝えたくて。









主人公side




いつもの定位置、窓際のソファー席でコーヒーの香りに包まれながら煙草を咥え火をつける。

すぅっと煙を吸い込み、煙を肺に入れゆっくりと吐き出した。灰皿には既に何本かの吸殻があり、自分自身が落ち着いていないことを示してる。

いや、本当に落ち着かない。
あの試合後の初部活。レギュラー入りを果たした桜乃ちゃんの初部活だ。何かされていないかが不安で不安んでどんどんと煙草の吸殻が増えていく。

連絡は来ねぇしで、気が気でない。


席に大きく座り、背もたれに肘をかけ煙草を吸う。とてもこんな体勢でいる姿を桜乃ちゃんに見せられねぇなと思っていた。


ぼんやりと煙草の煙をを眺めながら桜乃ちゃんの事を考えていたそんな時にコンコンと窓ガラスをノックする音が聞こえてくる。

煙草の煙を吐き出しながら音の方へ視線を動かすと、くりくりした瞳で俺を見つめる三つ編みの美少女、桜乃ちゃんが満面の笑みを浮かべていた。




「!?____あっちぃ!!」」




驚きのあまり煙草を勢い良く吸い込み、灰皿に落とす筈の灰が俺に落ちる。

熱さで慌てていると、喫茶店のドアベルが鳴り、鈴を転がした様な声を上げて彼女が駆け寄って来た。




「Aさん!驚かせちゃってごめんなさい!」




三つ編みを揺らして慌てる桜乃ちゃん。

俺は素早く煙草を灰皿に押し付け、火を消した。




「聞いてください!私試合に出してもらえるんです!」




心配は杞憂に終わったようだ。
すごく嬉しそうな表情で、三つ編みを揺らして小さくジャンプして喜ぶ姿が可愛くて見ていられなかった。

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バンビ(プロフ) - 真理さん» 現在更新のペースがかなりゆっくりになってしまっていますが、時間を見つけて更新をしていきますので、今後ともよろしくお願い致します。 (1月25日 23時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
真理 - バンビさん» 続きまだですか? (1月24日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - リコさん» ありがとうございます。今後も楽しみにして頂ける様に更新していきます。 (2021年7月18日 11時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - 続きを楽しみにしてます! (2021年5月9日 6時) (レス) id: 8b5e530447 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 紗衣さん» ありがとうございます。非常にゆっくりな更新になっていますが、楽しみにして頂ける様に頑張ります。 (2021年4月10日 0時) (レス) id: ff777945fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2020年9月4日 12時

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